【アリゾナ州ピオリア発】打撃不振が続くレジェンドに追い打ちだ。右肩を負傷していたマリナーズの正中堅手候補、マレックス・スミス外野手(25)が11日(日本時間12日)、打撃練習を再開。日本でのアスレチックスとの開幕シリーズ(20、21日、東京ドーム)には参加しない見込みだが、28日(同29日)の米国での開幕戦には間に合う見通しで、イチロー外野手(45)の去就に影響を及ぼしそうな雲行きだ。

 イチローは前日までに出場したオープン戦10試合で24打席に立ち、22打数2安打2四球7三振、打率9分1厘。ディポトGMは年明けに「日本の2試合で7安打したら3試合目もあるだろう」と語ったが、全盛期でさえ開幕2試合での安打は4本が最多で望み薄だ。

 マリナーズの外野陣は左翼にサンタナ、中堅にスミス、右翼にハニガーと、一塁も兼ねるブルースでほぼ決まり。スミスが右肩を故障したことでマイナー契約のイチローにも生き残りの芽が出たものの、スミス復帰となれば、イチローは日本遠征時の28人枠には入っても、米国開幕時の25人枠入りは厳しい。

 さらに、開幕ロースター入りを狙っている若手外野手のブレイデン・ビショップ(25)はオープン戦で19打数7安打、打率3割6分8厘と好調だ。成績だけなら、チームがどちらを選ぶかは一目瞭然。イチローがビショップを抑えて25人枠に生き残れば、チーム内に不協和音が生じかねない。形勢逆転に必要なのは、周囲を納得させる数字だ。