ここまで負けが込むと心配だ。阪神が8日の楽天戦(倉敷)を1―7で落とし、オープン戦は5戦全敗。若手主体の虎打線は新人の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が2安打1打点と気を吐いたものの、相手先発で開幕投手を務める岸ら5投手に計4安打とサッパリ。投げても先発ローテーション候補の4年目・望月が4回7失点と炎上し、二軍降格が決まった。

 恩師である故星野仙一氏の故郷・倉敷での一戦とあって意気込み十分だった矢野監督は「現状は寂しい。もっと生きのいいスイングや打撃を見たい。見に来てくれている人に『面白い!』と思ってくれる試合をしないといけない」と5試合で8得点と低調な若手野手陣に奮起を促した。

 オープン戦とはいえ1勝が遠い状況に、球団内からもヤキモキする声が上がっている。2月28日から今季の甲子園球場での公式戦チケットが発売となり「去年よりも売れ行きは上。前年、最下位だったのにこれだけ売れるというのは驚き。矢野監督のファンサービス重視の姿勢のおかげでしょう」(球団関係者)と喜んでいた矢先の5連敗。ドラフト1位・近本光司外野手(24=大阪ガス)と同3位・木浪の新人コンビが奮闘しているとはいえ、負けが込めば虎党の期待感も薄まってしまいかねない。

 甲子園球場での虎党による大歓声は相手にとって脅威となる最大の武器でもある。開幕前にファンから見放されないためにも、12球団唯一のオープン戦未勝利から一日も早く脱したいところだ。