清原氏「完全更生」への道 専門家からは3年経過に太鼓判

2019年03月07日 16時30分

3年ぶりに公の場に登場した清原氏

 2016年2月に覚醒剤取締法違反容疑(使用・所持)で逮捕され、同年5月に懲役2年6月(執行猶予4年)の有罪判決を受けた元プロ野球選手・清原和博氏(51)が6日、久々に公の場に姿を現した。現在、薬物依存症からの回復を目指して治療中だという。完治するのはなかなか難しいと言われるだけに、果たして更生を貫けるのだろうか――。

 清原氏が登壇したのは厚生労働省が主催する依存症の理解を深めるための普及啓発イベント「誤解だらけの“依存症”in東京」(東京都中央区)。事前に告知されず登場したことで、参加者が思わず「清原だ!」と口にするサプライズだった。

 厚労省によると、清原氏が約3年前の判決後、公のイベントに姿を見せるのは初めて。日焼けした肌で、いかつい風貌は以前と全く変わらず。どっしりとした体格も同じだ。緊張した面持ちで「どうも清原です」とマイクを手にあいさつした。

 厚労省のオファーで登壇が決まったことに「正直、自分は逮捕されて3年になるんですが、コツコツと治療してきてですね。厚生労働省に認めていただいたのかと思うと、すごくうれしい気持ちでした」と、切々と語った。

 逮捕をきっかけにして、約2週間に1回の通院を続けているという。テキストを使って薬物の勉強をして、依存症への理解を深めている。同じように薬物で苦しむ人に向けては、自らの体験から病院の門を叩くことを勧めた。「薬物というものは一時的にやめられても、やめ続けるのは自分自身では非常に難しい。勇気を出して、専門の病院に行ってほしい」

 薬に溺れていたころは「薬物を使うために、うそをついて、自分をどんどん追い詰めていった」。今では周囲に「苦しい」「つらい」と本音を言える環境を得た。「自分の身近な人に正直に言えることが一番自分が変わったことだと思う」。真面目に治療に取り組む姿が見えるような体験を自らの言葉で語った清原氏は「短い間ですみません。ありがとうございました」と言って約10分のステージを終えた。

 イベントは無事に終わったが、事務局は開催直前に「当日も体調次第で出演できるか分からない」と本紙に説明していた。そんな状態の清原氏に配慮した主催者側は10分間、囲み取材なしのスタイルを設定した。

 有識者会議で清原氏をゲストに招くことを決めた厚労省の依存症対策推進室の担当者によると「ご本人が回復プログラムを受けていて、認知度が高く、啓発効果が高い」ことを起用の理由とした。ただし、起用には複雑な事情も絡む。

 清原氏とステージ上で対談した薬物依存症治療センターの松本俊彦センター長は、事前打ち合わせの場で清原氏が「逮捕された身で出てしまうことに迷いがある」と打ち明けたことを明かす。

 厚労省には、覚醒剤を含む薬物犯罪を取り締まる麻薬取締部、通称マトリが属している。清原氏が再度の間違いを犯せば、登壇させた厚労省の担当者の顔に泥が塗られてしまう。

「ご登壇いただくので、ボランティアではないと聞いている」(松本氏)。ギャラもしっかり発生している、お役所から発注された仕事だ。

 再犯の恐れが絶対にないと見越した上でオファーしたわけではない。「(再犯の可能性の)確認はしておりません。捜査情報なので聞けないですからね」(同氏)。厚労省としても、今後の回復を信じるしかない。

 松本氏は再犯率について「統計的には半年~1年が一番多く、2~3年すると安定する」として、事件から3年経過した清原氏の回復傾向に「逮捕から一回も使ってなければ、そういうこと」と一応の太鼓判を押した。人前に出ることも「回復プログラムの一つ」で積極的な露出を推奨した。

 清原氏が頑張る姿は同じように薬物依存で苦しむ人の支えになるだろう。今後の活躍が期待される。