昨季最下位からのチーム再建に燃える阪神が、恒例の“貧打病”で目下、オープン戦4戦全敗ともがき苦しんでいる。そんな状況下、早くも手厳しい虎OBたちからは「矢野批判」が噴出。球団が批判を展開したOBに注意をするという異例の事態に発展していることが分かった。外野の声を封じ込めるためには結果を出すしかないが…。

 相変わらずの貧打について、矢野燿大監督(50)は4日「いい投手だから打てませんでは通用しない。まだ競争だけど、打順も考えて(今後は)シーズンを見据えてやっていく」と話した。“悩める主砲”大山悠輔内野手(24)を現状4番で継続させながら、次回8日の楽天戦(倉敷)までの調整では連日シート打撃練習を敢行し欠点解消に努めるという。

 昨年が17年ぶりの最下位に沈んだだけに、立て直しには時間が掛かるというもの。だが、この現状に我慢できないのはOBの面々だ。ある大物OBは「今年もウチは弱い。藤浪を筆頭に選手個々の課題が直っていないのが多い。矢野は今回のキャンプで自主性を重視したみたいやけど、結局、底上げにまでは至らなかった。オープン戦を見ていたらそれが分かる」とばっさり。

 別のOBも「新外国人のマルテも打てる感じがしない。新人の近本もそのうち打てなくなる。他球団のキャンプも見てきたが、ウチは最下位球団なのに練習量が少ない。今年は違う!というのは感じられない」…。

 早々に見限ったような言葉の連続。昨年までの金本監督体制では2017年に2位となっただけに、この手のOB批判も少なかったが、昨年最下位になったことでがぜん言いやすくなったのだろう。

 だが、球団としてもあちこちでチーム批判を吹聴される状況を放っておくわけにはいかない。ある球団幹部は「言いたい気持ちは分かるが、あまり(現場が)ガックリするようなことばかり言わないでほしい」と、くだんのOBに直接、注意を促したという。

 まさに異例のことだが、別の球団幹部も「今の首脳陣に一軍経験者が少ない、とかで『恐らくできないだろう』と先入観で見るOBが多い。相手が矢野監督だから(批判を)言いやすいとかもある。でも、温かく見守ってほしい」と切望する事態に“発展”しているのが現状だ。

 矢野監督にすればどれも面白くない話だが、泣いても笑ってもシーズン開幕まで1か月を切った。OB批判を吹き飛ばす一年にしたいところだ。