日本ハムは25日、かいぎんスタジアム国頭で最終日の練習を終え、キャンプを打ち上げた。注目ルーキーの吉田輝星投手(18=金足農)、2年目を迎えた清宮幸太郎内野手(19)、新加入の王柏融外野手(25)ら、今年もキャンプは話題性十分だったが、なんと舞台裏では宿舎で黄金ルーキーの“裸”をめぐる騒動が巻き起こっていた。

 選手たちは今キャンプでの最後の練習を終えると、グラウンドで円陣を組み、選手会副会長の近藤が「このキャンプで結果を残せた人も、思うようにいかなかった人もいると思う。レベルアップすることがチームの勝利につながる。このメンバーは12球団で一番強いと思います。最強のチームをつくっていきましょう!」とキャンプを総括。栗山監督も「チーム競争が激しくなって、今まで以上に選択肢が広がっている。あと1か月あるということではなくて、明日から開幕するんだというぐらいの気持ちでやっていく。ここからは選手にも入れ替わりということを自覚してやってほしい」と開幕に向けてゲキを飛ばした。

 ファームはひと足先に千葉・鎌ケ谷へ帰ったが、今キャンプ一番の注目は何といってもルーキーの吉田輝だった。その金の卵をめぐり、宿舎を舞台にちょっとした騒動も起こっていた。ある選手が明かす。

「キャンプで一番リラックスできる場所が風呂なんですが、大浴場がファンと一緒なんです。自分はそこまででもないんですが、輝星なんかは風呂場でも『吉田くん!』とか『輝星や!』と声をかけられたり、ジロジロ見られたりして困っていました」

 ファン心理も分からなくはない。注目の選手が“生まれたままの姿”で目の前に現れれば、同性であっても“お宝”をひと目拝みたくなるもの。ただ、見られる側はいい気はしない。別の選手によると「夕方だと一般の方が多いので時間をずらして入ったりもしているんですが…。なかにはコアなファンもいて、風呂場で何時間も待ち伏せしているんです。なるべく選手同士誘い合って、固まって入ったりしています」と“肉の壁作戦”で好奇の目を阻むなど、様々な対策を練っていたそうだ。

 ファームが泊まっていたのは、北部やんばるの海と白砂のビーチを正面に臨むハイクラスなリゾートホテル。道を隔ててすぐの場所に位置する展望大浴場はオーシャンビューで、日帰り入浴も可能。キャンプ期間中は選手のみならず、一般の宿泊客や外来客で連日にぎわっている。各個室にもシャワールームはついているが、吉田輝は温水と冷水に交互に漬かることで疲れを取る交代浴を実践していたことから、大浴場で入浴せざるを得なかったという。

 選手の入浴時間帯は大浴場を貸し切りにするなどの対策も考えられるが、球団関係者は「リゾートホテルなので一般の方も大勢泊まられていますし、投手と野手で練習時間が違ってみんなバラバラに入るので仕方のない部分もある。一軍はそもそも個室のユニットバスしかないですし、逆に言えばファームがそれだけいいホテルということ」と説明する。

 荒木二軍監督によれば「風呂は選手が唯一リラックスできる場所」との考えから、二軍首脳陣は大浴場の利用を遠慮していたという。また、選手の受け止め方も様々なようで「人目が気になるやつもいるようだけど、幸太郎なんかはあんな性格だから、風呂場でもあっけらかんというか、堂々としたものらしい」(荒木二軍監督)とか。

 いくら“見られる”のがプロの宿命とはいえ、じろじろと見られたくない“部分”もある。予期せぬところでプロの洗礼を浴びた吉田輝が、開幕に向けてどれだけ成長するか楽しみだ。