“先輩”前田幸長氏が感心 日本ハム・吉田輝星の凄さ

2019年02月23日 16時30分

前田氏と握手をする吉田輝(右)

【前田幸長・直球勝負】夏の甲子園を沸かせた新旧の準優勝投手2人が対面を果たした。沖縄・国頭の二軍キャンプで汗を流す日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18=金足農)と本紙評論家・前田幸長氏がガッチリと握手。昨夏の聖地で国民的ヒーローになったゴールデンルーキーに対し、1988年の同大会で福岡第一のエースとして準Vを成し遂げた前田氏も感心の声を上げた。その理由とは――。

 お互いにまったく面識がなかったとはいえ、吉田輝と私には実を言えば“縁”がある。昨夏の甲子園準決勝・金足農―日大三戦の9回一死一塁、吉田輝から三塁へ痛烈な打球を打ち返し、ヘッドスライディングで内野安打としたのが、我が次男で当時日大三2年生の左打者・聖矢だった。

「あっ! はい! 覚えています」

 わざわざあいさつのために歩を止めてくれた吉田輝は、そのシーンを思い起こし白い歯をのぞかせた。

 昨夏の大会で投げていた、浮き上がるような剛球の軌道は今も脳裏に焼きついている。プロに入ってからも“あのボール”は投げられているのか。率直に聞いてみた。

「球速的には同じぐらい、だいたいアベレージが出ているんですけど。まあ(球の)質っていうのはまだ悪いですね。その原因は、フォームがちょっと崩れているので」

 まだ明らかに納得ができない様子だった。しかし、それは決して悪いことではない。プロに入ってから悩み、理想と現実のギャップに試行錯誤するのは誰もが経験するプロセスである。吉田輝の感心すべきところは、とにかく冷静沈着に自分を見つめ直すことができる点だ。ここは、もうすでに高卒ルーキーとしては抜きんでている。彼は少々考え込みながら、こうも続けた。

「それ(フォーム)が直れば、やっぱり球質…。それを極められるようなイメージでいます。あと球速も…。フォームもよくなれば元に戻ると思います」

 初めての春季キャンプでは早々とプロの厳しさも体感したようだ。

「紅白戦で横尾さんと対戦してもらった時のことなんですけど。すごい本塁打を打つような打者なので、今までは『高校生だと飛ばす打者でもやっぱり雑な面も多いかな』と思っていたのですが、外のボールを実際にカットしたりだとか、追い込まれてもしっかりと振ってきたりとか…。そこはイメージと違いました」

 それを隠すこともなく私に素直に打ち明けるのは、自分自身が成長するための課題として受け止め、プラスに解釈しているからである。

「(今後は)紅白戦で自分の投球を全部しっかりと出していく。できる限り一軍に早く上がって、ローテーションにも入れればいいなと思っています。そういうイメージですね。本当に早めにいければ、10勝とかして新人王取りたいなと思います!」

 この年できっちりと自己分析できる能力は新人離れしている。負けん気の強さも人一倍だ。ファイターズの超新星が一軍のマウンドで光り輝く日はそう遠くない。

関連タグ: