チーム再建に燃える阪神・矢野燿大監督(50)が“悩める元新人王”高山俊外野手(25)にこれでもか、の猛エールを送っている。

 今キャンプではナイン間のレギュラー争いが激化しているが、一向に目立たないのがプロ4年目の高山。外野争いのライバルとなるドラフト1位・近本光司外野手(24=大阪ガス)の評価が日増しに上昇する中、高山は紅白戦も含めた実戦4試合で15打席1安打、5四球と精彩を欠いている。すでにネット裏の他球団007や複数のOBは「新人王を獲得した面影がまだ出てこない。いろいろと狙いがあるんだろうけど、フォームはバラバラ。何でそうなったのか」「迷っている感じがする。今年もレギュラーは苦しいかも」などかしましいが、指揮官の見方は“真逆”なのだ。

「まだ本人は試しながらやっている。結果が出ないと気持ちが下がったりするけど、前を向いている。去年苦しかった分、そこは成長している。メンタルが落ちたら心配だけどそれがないのが一番」とフォローした上で「もともとアマで実績があってプロでも(2016年に)新人王を取ってと打てる選手のはず。結果がまだ出なくても悔しい気持ちが練習の方に向いているから大丈夫。必ず這い上がってくる」と猛エールを送った。

 実はチーム内での高山評は高い。昨年は大半が二軍暮らしで自己ワーストの45試合出場、打率も1割7分2厘とサッパリに終わったが、球団関係者は「去年は首脳陣に打ち方をいじられ過ぎて自分を見失っただけ。自主性を重視する矢野監督のやり方の方がうまくいくタイプ。いろんなことを経験して迎えた今年は期待できる」。確かに高山は昨年の契約更改時に「来年は体制も変わりますし、来年の自信はある」と公約している。

 今キャンプでは「競争は毎年言われてますから、やるだけです」と話すが、信用してくれる矢野監督のためにも早く意地を見せるしかない。