巨人・吉村コーチは丸をこう見る「天才と言われるけど彼は努力の人間」

2019年02月15日 14時00分

フリー打撃で快音を響かせる丸

 巨人・丸佳浩外野手(29)がいよいよギアを上げてきた。沖縄キャンプ2日目の14日、フリー打撃で驚がくの場外弾をかっ飛ばした。推定飛距離130メートルの一発で周囲のド肝を抜くも本人は冷静そのもの。徐々に真価を発揮し始めた背番号8を、かつて「天才打者」と呼ばれた吉村禎章打撃総合コーチ(55)は、どう見ているのか――。

 丸が描いた放物線にスタンドからもどよめきが起こった。打撃練習が行われた沖縄セルラースタジアム那覇の両翼は100メートル。右中間方向に放たれた打球は高さ22メートルの防球ネットを越え、そのまま球場外に着弾。2年前のキャンプでギャレットが場外弾を放ったことはあったが、球場関係者によると「(巨人の)日本人選手では初めてかもしれません」というレアな特大弾となった。

 その後も柵越えを連発した丸は「打球を見ていなかったので分からなかったです。風ですね。あそこ、飛ぶんですよ」とサラリ。場外アーチ自体には関心を示さないまでも「飛ばせるスイングというのはイコールいいスイングだと思っていますから、そこは引き続きやっていきたいと思います」と調整が順調であることをうかがわせた。FAでの獲得に尽力した原監督も「丸がほとんど変わらないスイングでやっている。彼の影響がチームにいい(形で)影響している。とてもいいことだと思いますね」と相乗効果を強調し、目を細めるばかりだった。

 そんな丸を、同じ左の「元天才打者」はどう見ているのか。吉村コーチは「遠くに飛ばすためにはいろいろなものが必要になる。体重移動、バットの出し方、(ミート)ポイント…。丸はそのすべてでいい。あのバットのしなり、インパクトの音が違う」と絶賛し「最近にはいなかったタイプ」と断言した。

 何より、現役時の吉村コーチと丸が類似する点は長距離砲ではなく「アベレージヒッター」に重きを置いた点だ。それだけに同コーチは自身の現役時代、フォームについては「シンプルにやろう」と意識づけてきたという。巨人OBの松井秀喜氏もトップから最短距離でバットを出すことを心がけ“無駄な動き”を年々排除していった。

 しかし、丸の場合は右足を上げ、バットを大きくヒッチしてスイングするスタイルで2年連続のセMVP。吉村コーチは「動きが大きいとアジャストミスする確率も上がるけど、彼にとっては理にかなった打ち方なのだろう。タイミングを取るために、すごい練習量をこなしているのだと思う。天才とも言われるけど、彼は努力(の人間)なんだと思うね」と大きくうなずいた。

 全体練習後も屋内施設でバットを振り込み「なるべくきれいなスピンをかけて、きれいな打球を飛ばしたい。もっともっと精度を上げないといけない」と貪欲な姿勢を見せた丸。この日、見せた“特大アーチ”は今後の活躍を期待させる一発となった。