阪神・藤浪晋太郎投手(24)が沖縄・宜野座キャンプ第2クール初日の5日、今キャンプ3度目のブルペン入りで、77球の熱投を披露した。

 投球に関して納得できず、練習後に「1クール目と比べたらバラつきがあった。タイミングが合わなかった」と首をひねったが、ここまでの調整は順調な様子。「あまり反応は良くなかったですが、しっかり調教していきたい。前哨戦に向けて、しっかり仕上げていきたい」と、意気込みを好きな競馬に例えて報道陣の爆笑を誘った。

 投球練習中に打席に入った福留に助言を求めるなど、先発ローテーション入りに向けて例年以上に必死のキャンプを送っている。そんな藤浪の完全復活を願う周囲が、バックアップのため決行中なのが“ヨイショ作戦”だ。

「やっぱり投げている球の良さは群を抜いている。実力を発揮さえできれば2桁勝てる。調子の波はあるだろうが、悪いときでも上から強く言うのではなく、とにかく褒めまくる。もともと向上心は高くて、自分の考えをしっかり持っているので、とやかく言う必要はない」(チーム関係者)

 金本前監督時代の3年間は結果を出せず、辛辣な評価を受けることが多かった。ただ「奮起を促すはずの叱咤激励が重圧になっていたところもあったと思う」(球団幹部)と、厳しい指摘がプラスに働かなかったことで方向転換したわけだ。

 この日の投球を見守った矢野燿大監督(50)は「(制球が)そんなに大きくズレることもない。気持ち良く、リズム良くやってくれている」と絶賛した。藤浪は周囲の期待に応え、名誉挽回のシーズンにしたいところだ。