ヤングG躍動のワケは“ボス”原監督の「太陽にほえろ!」作戦

2019年02月04日 16時30分

「ボス」の原監督はブルペンでメルセデス(左)にサムズアップ

“平成最速”の紅白戦は白熱の一戦となった。巨人は3日、宮崎春季キャンプで若手主体の「一軍VS二軍」のガチンコ対決(7イニング制)を行った。結果は5―5の引き分けで、開幕一軍やレギュラー奪取へのアピール合戦となった。ヤングGたちの躍動の背景には昭和を代表する刑事ドラマ「太陽にほえろ!」さながらに原辰徳監督(60)自ら選手個々に命名する“ニックネーム作戦”があった。

 試合の主導権を握ったのは打倒・一軍に燃える二軍だった。1点を先制された直後の4回、一軍の2番手で登板したホープ右腕の高田に襲い掛かり、4番・石川の豪快3ランを含む6連打で一挙5得点を挙げて逆転。一方の一軍勢も負けてはいない。「1番・二塁」で先発出場した吉川尚が3安打、2打点と躍動すれば、5回から3番手でマウンドに上がった左腕の大江は2イニングを完全投球。打線も5回に1点を返し、6回にも3点を叩き出して同点とした。

 そして迎えた最終回。一軍のプライドが勝るのか、それとも二軍が下克上を果たすのか…。両軍とも激しく火花を散らしたが、最後はどちらも譲らずドロー。異例のキャンプ3日目での早期実戦を決行した原監督は「非常に気持ちも技術も、いろんなものが見えた感じがしましたね」と納得の表情を浮かべて若手の健闘をたたえた。

 実力を発揮できた選手もいれば、悔しさをあらわにした選手もいたが、指揮官の意外な発想がヤングGたちのモチベーションアップにつながっている。それは、原監督が生み出す独創的なニックネームだ。今季で言えば新加入の岩隈(前マリナーズ)を「クマさん」と公言するだけでなく、新助っ人の2人についても本人たちと話し合った上で「ビヤヌエバ選手は『ビア』。コロナ(ビール)じゃありません」と命名し「クック選手はクッキー。チーム、メディアの方もビア、クッキーという形でよろしくお願いします」とPRした。

 まだ世に出ていないところでも、指揮官による“改名”は進行中だ。たとえば昨年7月に支配下登録を勝ち取った松原もその一人。俊足巧打がウリで、同11月の日米野球で非公式ながらランニング本塁打もマークした松原に対し、原監督は「お前さんはミッキーマウスに似ているな。今日から『ミッキー』だ」と名づけている。

 指揮官が定めるユーモラスな愛称を巡っては、選手間で「クックからクッキーは意外でした」などと驚きの声も上がっているが「ニックネームを付けてもらえるということは、それだけ監督の目に留まり、認知されたということ。僕らも新しい名前で呼んでもらえるように頑張らないといけない」と闘志をみなぎらせている。

 1972年から86年まで日本テレビ系で放送された刑事ドラマ「太陽にほえろ!」ではレギュラー陣全員に石原裕次郎扮する藤堂係長の「ボス」をはじめ「山さん」「長さん」「ゴリさん」「殿下」「マカロニ」「ジーパン」「テキサス」などのニックネームが付けられ、国民的な人気を博した。次は誰がどんなあだ名を付けられるのか。指揮官の“改名”は、チームの底上げにひと役買っている。