巨人の新助っ人砲に“しくじりコンビ”が接近だ。新外国人のクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28=前パドレス)が29日、ジャイアンツ球場で初練習を行った。これに大喜びしたのが、G2年目のアレックス・ゲレーロ外野手(32)。陽気なラテン兄貴はスペイン語を話すかわいい“弟分”の加入を大歓迎した。またビヤ砲の巨人入りにあたっては、母国メキシコの先輩である元巨人のルイス・クルーズ内野手(34)からも助言があったという。大丈夫か…。
 
 ビヤヌエバはこの日、同じ新外国人のライアン・クック投手(31=前マリナーズ)とジャイアンツ球場に登場した。前日、12時間のフライトで来日したばかりだが、キャッチボール、ノックで汗を流すと「人生初」というマシン打撃にも挑戦。穏やかな性格のメキシカンは「自分のパフォーマンスを見せなければならない立場なので、一刻も早く雰囲気と気候に合わせるためにここに来ました」と優等生コメントを発した。

 そんな新助っ人砲を笑顔で迎えたのがゲレーロだ。練習パートナーと“案内役”を買って出ると「日本の投手は弱点を徹底的に突いてくる。簡単には打たせてくれない。最初はうまくいかない時もあるだろうけど、そこは冷静になれ。必ずアジャストできるから」などと熱心に助言した。

 母国語を話す仲間が増えたことがよほどうれしいのか、ゲレーロはおとなしい“弟分”の横で豪快な笑い声を響かせて先輩風を吹かせまくり。練習後はお気に入りのサングラスをかけて報道陣の前に立つと「君たち“トム・クルーズ”に聞きたいことはあるか? ビヤヌエバ? グッドガイだ!」と終始、上機嫌だった。

 またビヤヌエバによれば、日本行きを決めた際には母国の先輩である元巨人のクルーズに相談。「日本は規律を重んじる。礼儀正しくあれ、尊敬心を忘れるな、時間に正確であれ…とか、文化的な側面でまずはそこからアジャストしないと何も前に進まない、とのアドバイスをもらった」という。

 ただクルーズといえば16年シーズン終盤に一部コーチと衝突。首脳陣との溝が埋まらないまま、翌17年中に楽天へトレード放出され、現在はメキシコ国内リーグでプレーしている。お騒がせといえばゲレーロも昨季途中、二軍暮らしの不満から由伸監督との面談を拒否したことが騒動となった。そんな2人との接近に球団側に不安はないのか…。

 確かにチーム関係者も「余計なことを吹き込まないかは心配していた」という。それでも「今日のゲレーロの様子を見る限り大丈夫だね。ゲレーロも弟分ができて刺激を受けているみたいだし。それに先輩の失敗談を聞くのはビヤの今後のためにもいい」と話す。ビヤヌエバもゲレーロには「経験も経歴も素晴らしい選手。僕の力になるアドバイスをもらえる」と感謝していたが…。初日の練習風景を見る限り、真面目な好青年といった印象のビヤヌエバ。陽気な兄貴との新コンビに注目だ。