阪神に加入したジェフリー・マルテ内野手(27=前エンゼルス)が29日、西宮市内の球団事務所で入団会見を行った。メジャー通算30発の実績を持つ4番候補の新助っ人は「3年前から日本に来たいという思いがあった。みんなの助けを借りながら全力でプレーしたい」と意気込み。そんなマルテに身内からは早くも重要な“任務”が課せられている。

 待望の来日となったマルテは終始ご機嫌で「チャンピオンシップに行けるように野球でも野球以外でもチームをサポートできる選手になりたい」と抱負。昨季エンゼルスでチームメートだった大谷翔平投手(24)からは「成功するように応援していると言ってもらった。阪神はとても熱狂的なファンがいて競争がすごい素晴らしいチームだと聞いているよ」と激励を受けたことを明かした。

 そんな新4番候補に掛けられているのが“負の連鎖払拭”への期待だ。背番号は「ミスタータイガース」こと掛布雅之シニアエグゼクティブアドバイザー(SEA)がつけていた「31」に決定済み。選んだ理由についてマルテ本人は「31が好きなのもあるし、家族の誕生日に近く親しみを込めてこの番号にしたんだ」と説明。重みについても理解しているようで「誇らしい気持ち。この番号にふさわしい選手になりたい。マルテがつけていた番号をつけたいと思われるようにしたい」と意気込んだ。

 ただ「31」は阪神にとって悩みの種でもある。掛布SEA以降はこれまで萩原誠、広沢克実、浜中おさむ、林威助らが継承したが、実力を発揮し切れていない。そのためチーム内からは「掛布さんの功績が偉大過ぎるのか『31』が重圧になってしまっている。何とかマルテには活躍してもらってイメージを変えてもらいたい」(球団関係者)と熱望されている。

 歴史ある「31」を来日1年目の新外国人選手に与えることにファンからは「本人が了承しているから問題ない」といった声と「リスペクトがない」という意見の賛否両方がある。そのため「これでマルテがまったくダメだったら『どうして31をつけさせたんだ!』となりかねない」(前出の関係者)とあらぬ“雑音”を封じるためにもマルテの成功は必須。「マニー・ラミレスやプホルスを見て育ったのでそういう選手になりたい」と話したマルテだが、レジェンド級の活躍を見せたいところだ。