巨人・菅野の思惑 投手キャプテンに今村指名 

2019年01月28日 16時30分

菅野は同学年の丸(左)と並んで宮崎入り

 エース直々の任命だ。巨人・菅野智之投手(29)が27日、2月1日に始まる宮崎春季キャンプの「投手キャプテン」に今村信貴投手(24)を指名したと明かした。今村は昨季、高卒8年目にしてプロ初完封勝利を含む自己最多の6勝を挙げた生え抜き戦士。ようやく芽吹いた左腕に大役を託した菅野の思惑は――。

 28日から宮崎で行われる一軍合同自主トレへの出発前の羽田空港で、菅野は宮本投手総合コーチ(54)に選定を一任されていた春季キャンプの投手キャプテンに今村を指名したと公表した。

 今村と言えばおとなしい印象で、菅野も「あまり人前に立って話したりとか、何か行動を起こすようなタイプじゃない」と見ている。だが、昨年一軍で長い時間をともに過ごした中で意外な一面に触れたそうで「彼はすごい考えている。チームのこともちゃんと見えている。思うことは言いなよと。それは選手、後輩、コーチに対しても、自分の思っていることは言いなよと。あとは行動に移すだけ」と選考理由を説明した。

 もちろん後方支援は惜しまない。菅野は「グラウンドの中だけですからね。ノブ(今村)にやってもらうのは。彼がリーダー。それでグチャグチャ言うなら、じゃあアンタがやりなよと。先輩だろうが、コーチだろうが、それは僕が守ってあげたいし、言います。それは譲れないですね」と力強い。

 リーダー候補はほかにもいたはずだが、なぜ今村だったのか? 実は菅野は以前から目をかけてきた存在だった。巨人が終戦した昨年10月19日、CSファイナルステージ第3戦(マツダスタジアム)での出来事だ。試合前までチームは連敗。負ければ終わりの崖っ縁の一戦で先発に抜てきされたのが今村だった。結果は3回途中3失点降板。下克上の夢は消え、この試合がビッグチャンスをくれた由伸前監督のラスト采配となった。

 試合後、事の大きさと敗戦ショックに打ちひしがれる傷心の今村に「ちょっと話をしよう」と声をかけたのが、ほかでもない菅野だった。“サシ飲み”の席で「『いい経験ができた』で終わらせるな。いい結果を出して初めてよかったと思いなよ」とエースの心構えを伝授。さらに「俺はお前がうらやましいよ。俺のノビシロはもう少ないかもしれないけど、お前は可能性が無限大じゃん」と励ましたという。まさに鉄は熱いうちに打て――。菅野の金言に胸を打たれた今村は「あの悔しい記憶を消さずに、今後につなげていきたい」と決意を新たにしていた。

 向上心のない選手相手なら、そもそも菅野は見向きもしなかったはず。チーム事情としても、長らく精神的支柱だった元エース左腕の内海も人的補償で移籍。今村は、菅野が台頭を待ち望んでいた若手生え抜きだ。今回のリーダー指名は、今村が次代のエースとなり得る存在と見込んだからに違いない。

 菅野は「僕にしても(坂本)勇人さんにしても、あと10年第一線級であるかというと難しい話。継承していくことが大事」とも言った。大きな期待をかけられた今村が、ひと皮むけられるか注目だ。

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