【核心直撃】昨季限りで現役を引退した元ロッテの岡田幸文氏(34)が今年1月からBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスの外野守備走塁コーチに転身し、若手選手らの指導にあたっている。岡田氏は昨年末、ロッテから派遣される形でBC栃木とコーチ契約。新たな道を踏み出した。現役時代は数々の美技でファンを魅了した守備職人は今、どのような思いでNPBを目指す若手を見つめるのか。自身の今後を含め聞いた。

 ――BC栃木のコーチに就任した経緯は

 岡田 現役引退後の昨年10月に当時の(ロッテ)球団本部長から「来季は球団からの派遣で栃木でのコーチに従事してほしい」と。球団に残ることは決まっていましたが、栃木のコーチとは思わなかったので驚きました。でも、栃木は地元ですし、家族の住む自宅もある。昨年までは単身赴任でしたから、球団も配慮してここ(栃木)に派遣してくれたと思います。

 ――家族の反応は

 岡田 妻は「家から通えるようになったんだからいいんじゃない」と。でも「これからは家にいる時間が長くなる分、家のことをもっと手伝ってね」とも。

 ――現役時も週1回は自宅に戻り、共働きの奥さんの家事を手伝った

 岡田 その時より家事の配分は増えました(笑い)。食後の皿洗いや風呂洗い、洗濯の取り込みなどは毎日やってます。でも家族と一緒なので楽しいです。

 ――実際にコーチ業をやってみて選手、チームの印象は

 岡田 意欲、姿勢は素晴らしいと思います。どの選手もNPB入りを目指し、ギラギラしている。バイトなどで野球ができる時間が限られているのに練習量も豊富です。技術もプロのレベルと大差がないので(指導する)楽しみはあります。

 ――今後、どのような指導を試みていくのか

 岡田 選手個々のやり方を尊重する。特に守備や走塁の強化は一人ひとりの課題が違いますから。そのうえで、聞かれたらアドバイスを与えられるコーチでいたい。自分自身、コーチから練習をやらされることが嫌でしたし、自分で考えて練習、行動しない選手はプロでは通用しませんからね。

 ――指導は極力控える

 岡田 たとえばオフの期間ですが、昔は何もしない選手が多かったかもしれません。でも、今のプロや独立リーグの選手は違う。自分で普段できない部分の強化に励む選手が多い。サボったり休む選手の方が少ないでしょう。僕はずっと秋季キャンプなどは必要ないと思っていました。チーム全体の強化課題はありますが、全体で強制的に練習をやらされるぐらいなら、個々で足りない部分を補う練習をした方がいい。そういうアドバイスをしていきたい。

 ――今後の目標や夢は

 岡田 一人でも多くの選手をNPBに送り出せるよう自分の持っているものを伝えていきたい。将来的には資格を取って、高校野球の監督や社会人の指導もできればと思っています。

 ――母校は作新学院。監督として甲子園を目指したいか

 岡田 それは本当に夢です。作新は常勝校ですから、重圧がハンパないと思いますし。ただ、将来もずっと何らかの形で野球に携わっていきたい。そのためにも、指導者としてこれからいろいろと勉強していきます。

 ――野球をずっとやらせてくれた奥さんのために家事も忘れずに

 岡田 それも…頑張ります(笑い)。