巨人の丸佳浩外野手(29)が20日、5日連続で川崎市内のジャイアンツ球場で汗を流した。V奪還を狙う首脳陣はFA戦士の持つカープ情報に期待を寄せているが、これに「ボクが思っていることは聞かれれば話します」と快諾。さらに若手ナインへのアドバイスに積極姿勢を見せるなど、常勝軍団から来た“丸先生”への期待度は高まるばかりだ。

 18日のスタッフミーティング後、吉村打撃総合コーチが「私も聞きたいし、選手たちにも伝えてほしい。それはもう最大限プラスになる」と丸の持つカープ情報の重要性を指摘している。これを受け丸本人はこの日「ボクが思っていることは聞かれれば話します。ボク自身、感じていることはカープでやっている時にありました」とウエルカムの姿勢を見せた。

 リーグ3連覇中の古巣について「打線は全員がつなぐ意識を持っているチーム。『ボクが打ってやる』というより『次につなぐ』というのをより強く持っている」と強さの理由を披露。「プラス機動力もある。走者一塁でライト前、センター前だけじゃなくレフト前ヒットでも隙あらば(三塁を)狙う走塁というのは常に言われていることでした。いい攻撃だと思う」と客観的に分析した。

 ただ、あくまでも聞かれれば答えるというスタンス。「エラそうなことは言えない。どういう野球をやるかはチームによって違うと思うし、キャンプでしっかり把握したい」と謙虚な姿勢を見せた。それでも「ひとつ次の塁を狙う走塁は悪いことではない。野球選手として当たり前のことを当たり前のようにやるのが理想」とまずは走塁意識を伝えたいという。

 引っ張りダコなのは首脳陣からだけではない。Gナインにとっても2年連続MVP男は最高の教科書。前日の19日に同じマシンで1時間以上、交代しながら打撃練習を行った宇佐見真吾捕手(25)は「打席でどんなことを考えているのか聞きました。ずっと打撃を動画で見たりして参考にしている方なので、タイミングの取り方とか実際に目で見て話を聞いた」と濃密な時間を振り返った。

 昨季、丸は巨人戦で3割6分、8本塁打と大爆発した。そのうち3試合で先発マスクをかぶった宇佐見は「どこに構えても丸さんには打たれるイメージだった。詳しくは言えないですけど教えていただいたことは捕手としても勉強になりました」と配球読みの“集中講義”に手応えありの雰囲気。「また機会があれば聞いてみたい」と目を輝かせた。

 丸も「話はすると思います」と28日からの主力の合同自主トレ(宮崎)でのナインとの顔合わせを心待ちにしていたが、この様子だと宮崎では“丸先生”の前に選手も首脳陣も行列を作りそうだ。