意外な“掘り出し物”とはこのことか。阪神のドラフト4位右腕・斎藤友貴哉投手(24=ホンダ)の評価が急上昇している。

 18日、兵庫・西宮市の鳴尾浜で行われた新人合同自主トレで斎藤は早くも3度目のブルペン入り。最速153キロを誇る直球に加え、変化球も解禁するなど33球を投げた。

「投球自体はばらつきもあったが、感触はいい。スライダーはドンドン投げて自分のものにしたい」。社会人出身ということで今春キャンプの一軍メンバー入りがすでに確定。視察した平田勝男二軍監督(59)は「馬力に加え威圧感もある。球の出どころも見にくい。スライダーのキレも良かった。新人時代の久保田(智之氏=現同球団スカウト、顔写真)みたいだ」と虎のレジェンド右腕の名を挙げ称賛した。

 久保田スカウトといえば現役時代の2005年に、藤川、ウィリアムスらとともに伝説のリリーフトリオ・JFKの一角として68試合に登板し、優勝に貢献。07年にはプロ野球記録の90試合登板という金字塔を樹立した。13年の引退まで虎のブルペンを支え続けたスーパー鉄腕だ。

 その久保田スカウトは斎藤について「僕というより、強いて言うなら岩崎(優)のようなタイプ。低めに直球がピシャッと決まる」と評しながら「個人的には体つきの良さなどを見ると中継ぎ適性を感じる」と断言。2代目鉄腕の“襲名”に大きく期待を寄せた。斎藤にとってはこれ以上ないエールだ。

 斎藤本人も「(シーズンを通して戦える体の強さには)社会人での経験があるのでそこには自信がある」とキッパリ。そして「(まずは)50試合登板を目指したい。JFKのような別格の存在になりたい」と高々と宣言した。すでに矢野監督は全ナインに「競争してもらう。誰がどことはまだ決めていない」とサバイバル路線を予告。そこに斎藤が割って即ブレークとなれば言うことなしだ。