覚悟の表れだ。日本ハムのドラフト1位ルーキー・吉田輝星投手(18=金足農)が、グラウンド外でも意識の高さを見せて周囲を驚かせている。千葉・鎌ケ谷市の二軍施設で行われている新人合同自主トレは14日で第2クールが終了。注目右腕はすっかり同期入団の新人たちと打ち解けた印象ながら、油断するどころか自らを厳しく律している。

 吉田輝は、この日はアップ、キャッチボール、ノック、ランニングなど軽めのメニューで調整。3連休の最終日も球場には多くのファンが訪れ、吉田輝が通るや途端に黄色い歓声が上がった。

 練習を終えると「動きの面でも気づきの面でも、トレーニングの強度は上がってきている。いい感じで体を動かせてます」と満足げ。休養日の15日は同期選手との誕生祝いを兼ねた食事会で英気を養う予定で、16日から始まる第3クールでは待望のブルペン入りを視野に入れる。

「あっち(秋田)よりも暖かいですから、早く投げたいという気持ちが強い。トレーナーさんからフォームの爆発力とスムーズな連動性の重要さを聞いたので、早く試したい」と意気込む吉田輝には、ブルペン入りに向けて投入する秘密兵器がある。甲子園でキラリと輝いた白いマウスピースだ。

「投げるときに踏ん張って力を入れてるので、(歯が)欠けることが何度かあった。すぐ治しに行くんですけどね。ブルペンでマウスピース解禁? そうですね」と、高校2年の春から愛用しているアイテムをプロでも初披露する。

 同期の間では吉田輝の意識の高さが話題になっている。もともと太りやすい体質とあって、昨年の二軍施設見学の際には“激太り”した姿が話題になった。それでも甘い物が大好物だという吉田輝のため、同期の選手は12日の誕生日にケーキをプレゼントするつもりだった。

 しかし、ドラフト5位の柿木(大阪桐蔭)によると「誕生日プレゼントにケーキはどうかって話をしてたんですが、いきなり会話に入ってきて『太るからケーキはいらねえわ』って」。鋼の心で拒否したという。

 プロで活躍するため、食には細心の注意を払っている。吉田輝は「トレーニングが結構入ってるので、それで(体重が)増える分にはいい。高校のときはかなり走っていたので、食べても太らなかったんですが、ダメな太り方をしないように(気をつける)。これからは、おなかがすいたらササミ肉を食べます」と甘味断ちを宣言。白い歯とシャープな姿で、ファンにも首脳陣にも猛アピールする。