西武の栗山巧外野手(35)が8日、巨人の歴代人的補償選手を絶賛した。巨人へFA移籍した炭谷銀仁朗捕手(31)の人的補償として西武は内海哲也投手(36)を獲得。精神的支柱としてチームを支えるベテランは、新天地で即戦力の働きが求められる16年目左腕の成功に太鼓判を押した。

 発表直後に人を介して即座に内海と電話連絡を取り、歓迎の意向を示した栗山は「それまでも選手会の総会とかで何度か話はしたことがありましたからね。もちろん、チームにとってはいい効果しかないでしょ」と、133勝左腕の加入を手放しで喜んでいる。

 というのも、認識している人間性の良さに加え、過去に巨人から人的補償で加入した江藤智(2006年)、脇谷亮太(14年)両内野手のコミュニケーション能力がいずれも高かったからだ。江藤も脇谷も内海と同じ30代半ばでの移籍だったが、豊富な経験と人柄で慕われ、チームの精神的支柱として存在感を示し、若手の見本となった。

 栗山は「(巨人から来る選手は)みんないい人ばかり。脇谷さんもですけど、江藤さんには本当に勉強させてもらいました。ボクがまだ5年目の時に来られて08年の優勝時にもいました。ちょうど去年の稼頭央さんのような感じで。いろいろな話を聞きましたよ。みんな素晴らしい人たちばかり。内海さんも実績はありますし(チームに溶け込む上で)何も問題はないでしょう」と断言。前任者2人がいずれも野手だっただけに、内海にはV2への課題である投手陣のけん引役として、“江藤の投手版”のような役割を期待している。

 西武は今オフ、メジャー挑戦のためエースの菊池、FAで主砲・浅村と扇の要・炭谷が去り、変革期を迎えた。こんな時に頼りになるのがベテランの力だろう。栗山は1歳年上となる内海との二人三脚でチームをもり立てる決意だ。