巨人・原辰徳監督(60)が、ナインによる“SNS禁止令”を予告した。昨年6月に若手ナインの痴態が動画流出し騒動になるなど、SNSでは痛手を負っている巨人だが、指揮官の発言の真意は他にあった。

 善かれあしかれSNSでの発言、投稿動画が大きな影響を与えるのは球界も同じだ。

 タイプもさまざま。楽しい写真や「つぶやき」を気ままにアップするケースが最も多いが、上原のように“自分の口から直接ファンに伝えたい”との思いから、いち早く自身のニュースを伝えるタイプ。さらに野球のみならず社会問題、世論に真っ向から持論を唱えるカブスのダルビッシュのようなケースもある。最近では阪神から戦力外通告を受けた西岡が、球団の発表を待たずに“フライング公表”して問題になった。

 こうした事態を知ってか知らずか、物申したのが原監督だった。「俺ね、有名人たちがSNSとかで自分で話すじゃない? あれダメだと思うね。あれは都合良すぎだよ。有名人ならば堂々といっとかなきゃな」。さらに自軍のSNS使用状況を関係者に確認すると、こう続けたのだ。「ジャイアンツの選手もやっちゃいかんですよね? 言いたいことがあったら俺達(首脳陣)に言えと。あるいは新聞記者に言えと」

 チーム内のSNS発信率は上原が突出しているが、積極的に公に発信しているナインはほとんどいない。しかし、あえて指揮官が訴えたのは、「やっぱりメディアの後ろにファンがいる、という結びつけがいちばん大事だと思うけどね」というポリシーがあるからだ。ちなみに自身もホームページを持っていた時期があったが、第2次政権時の2011年の年末をもって閉鎖している。こうした経緯もまた、自身の思いを確たるものとしたのかもしれない。

「例えば(事実無根の)何かに対しての反論だったらまだ分かるよ」と、一定の理解をしながらも「自分から発信するっていうのは、果たして有名人としてファンに対して、メディアの人に対してどうなのかなと思うね。基本的にやるべきじゃないよな」と語る原監督。この“ひと声”が、どうナインに浸透していくのか。