今夏、一気にスターダムにのし上がった。かねてスカウトやメディアの間では知られた存在だったが、あくまで球界内でのこと。それが金足農のエースとして甲子園で投げるたび、世間の注目を一身に集めていった。

 秋田の公立校で、しかも農業高校という牧歌的なイメージのチームが、横浜や日大三といった都会の強豪校を次から次へと倒していく姿にファンは熱狂。秋田大会の初戦から甲子園の準決勝まで10試合連続完投勝利。災害級の猛暑の中で大阪桐蔭との決勝戦の5回まで一人で881球を投げ抜き、テレビのワイドショーでも連日のように取り上げられた。大会終盤には本紙でも高校球児としては異例の5日連続1面ジャックという快挙を達成した。

 今回の特別賞は「金足農の吉田輝星」の功績をたたえたもの。来年は「日本ハムの吉田輝星」として、プロ野球大将MVPを目指してもらいたい。