「怪物スラッガー」の片鱗は見せた。一軍出場53試合で打率2割ジャストながら、本塁打数は早実の大先輩にあたる王貞治の1年目と同じ7本。デビューからの7試合連続安打は高卒新人の新記録だ。

 プレー以外でも話題を提供し続けた。3月のオープン戦期間中には限局性腹膜炎で入院。5月末に二軍落ちしてからはアーチを量産し、今度こそと思ったら7月半ばには右ヒジ痛でリタイア。時折心配させて注目を集めるのも“清宮らしさ”だった。

 発言にも屈託がない。オフの自主トレ中に本紙記者が直撃すると、一年を振り返って「思っていたよりずっと細かいですよね、プロは」。ちやほやされても、社会人になっても、正直さや親しみやすさは変わらない。誰からも愛される男は、北の大地ですくすくと成長している。