一軍の出場選手登録が29人に増えてもまだ足りない? 巨人が新助っ人としてマリナーズからFAとなったライアン・クック投手(31)の調査に乗り出している。米国でのウインターミーティングを経て、複数の候補者の中からリスト最上位に浮上。入団が決まれば新守護神の役割を期待されるが、同時に悩ましい問題も持ち上がる。8人の“大所帯”に膨れ上がる助っ人たちから、外国人枠の上限4人をパッと選べるのか――。

 泣き所を埋めるピースとして、巨人が白羽の矢を立てたのは188センチ、98キロの救援右腕だった。クックは150キロ台中盤の直球にスライダーなどの変化球を操り、2012年にはオールスター戦にも選出された。16年には右ヒジの靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けたが、3年ぶりにメジャー昇格した今季は19試合に登板。17回で23奪三振と復調の兆しを見せている。

 今季の巨人は救援陣に不調や故障が相次ぎ、必勝パターンも崩壊。守護神も固定できず、シーズン終盤は山口俊が先発から配置転換された。ブルペン陣の再構築は今オフの最重要課題であり、山口オーナーは「なかでも抑えをどうするかという点は補強の努力が必要」と号令をかけていた。

 調査終了後には交渉に入るが、巨人入りが決まっても外国人枠という難題が待っている。野手は新加入のビヤヌエバ(前パドレス)、ゲレーロ、マルティネス、投手はクック、マシソン、ヤングマン、メルセデス、アダメスで総勢8人となるからだ。ここから一軍登録可能な4人を選ばなければならない。

 順調にキャンプ、オープン戦をクリアすれば新戦力のビヤヌエバとクックは当確だろう。問題はそれ以外の助っ人たち。投打2人ずつなら野手ではゲレーロが加わり、残り1枠を主に先発ローテーション候補のメルセデスとヤングマン、不動のセットアッパー・マシソンで争う形となる。

 その中で気がかりなのはマシソンへの信頼が揺らいでいる点だ。来日7年目の今季は34試合で0勝3敗8セーブ、防御率2・97。シーズン中に左ヒザを痛め、帰国後の8月末に手術した。17年まで5年連続50試合以上登板のタフネス右腕の離脱は大誤算で、新任の水野投手コーチも「澤村、上原、マシソン、カミネロ。想定していた投手が9月に誰もいなかったのは異常」と言い「マシソンは足をケガしたから、どこまで回復するか…」と不安を抱いていた。

 チームスタッフからは「本人も『左ヒザは初めてだ』と言っていたので今後の投球にどう影響するか。実績十分の功労者ではあるけど、来年で35歳。状態によっては開幕二軍の可能性もあるのでは」と不安視する声も上がっている。

 限られた枠の中で原監督ら首脳陣はどう割り振っていくのか? 投打のバランスよりも投手を3人に増やし、野手を削るのか…。どちらにせよ、難しい判断を迫られそうだ。