暖冬が日本ハムにドラフト1位指名された吉田輝星投手(17=金足農)に思わぬ影響を与えそうだ。今年は夏の記録的な猛暑が尾を引く形で、日本ハムの本拠地・札幌では平年より23日も遅い今月20日にようやく初雪を観測した。これは統計開始以来、1890年と並んで最も遅い記録。吉田の地元秋田でも例年11月中に一度は湿った雪がまとまって降るものの、今年はまだ降雪がない。

 暖かければトレーニングにはプラスとなりそうだが、吉田の場合は少し事情が違う。金足農の関係者は「うちは冬場に雪の中を走る雪中トレが伝統。ここ数年は田沢湖での地獄の冬季合宿はやっていないけど、吉田は自主的に走ることで下半身を鍛えてきた。あのストレートも強靱な下半身があってこそ。これから新入団選手の会見とかいろいろ予定もあるし、最悪の場合、入寮前に一度も雪中トレができない可能性もある」と心配する。

 今月7日の二軍施設見学の際には甲子園のときとは別人のような“ポッチャリ”した姿が話題となった。金足農元監督の嶋崎久美氏は「太ったというより、トレーニングの成果で筋力がついた証拠。今年の冬もますます鍛えて強くなってくれるでしょう」と話しているが、プロ入り前の一番大事な時期に慣れ親しんだトレーニングが積めないのは気がかりだ。今夏、灼熱の甲子園を沸かせた吉田は雪のないオフをどう過ごすのか。