最下位からの巻き返しを期す阪神が21日、米メディアの“フェイクニュース”に振り回された。米国最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は同日の日本時間午前中に、パドレスのビヤヌエバが阪神に移籍する可能性が高いと報道。しかし、午後になって巨人がビヤヌエバを獲得したと発表したことで、同サイトは阪神入り報道を訂正することになった。

 これには阪神も「書いた記者が“読売タイガース”とか“阪神ジャイアンツ”とでも思ってたんでしょ。向こうが勝手に書いて勝手に訂正していた。ビックリしたのはこっちですよ」(球団関係者)と困惑することしきりだったが、まるでお門違いな話…というわけではない。

 ビヤヌエバはシーズン中から代理人を通じて日本に売り込みをかけてきた選手で、阪神も期待外れだったウィリン・ロサリオ内野手(29)に代わる「右の強打者」としてリストアップし、獲得調査をし続けていたという。

 しかし、フタを開けてみればビヤヌエバを獲得したのはライバル巨人。ある球団幹部は「向こう(パドレス)のトレードマネーだけで150万ドル(約1億7000万円)。相当強気だったから払えるわけがない。結局は資金力のある巨人が持っていってしまった」と断念した経緯を明かした。ついでに言えば、巨人にはこのところマギーやゲレーロの争奪戦でも敗退している。

 矢野監督は「補強についてはフロントに任せてある」と話しているが、オリックスからFA宣言した西獲りの行方も劣勢の声が届いている。朗報は届くのか…。