西武からFA宣言した炭谷銀仁朗捕手(31)と巨人の交渉が16日、都内で行われ「3年総額6億円」(推定)の条件提示を受けた。

 大塚淳弘球団副代表兼編成担当(59)らと約1時間、プロ13年目で初めて他球団とのFA交渉を行った炭谷は会見冒頭で「まず『来てほしい』ということを言っていただいて、『優勝するために戦力になってほしい』という話をしてもらった」と切り出した。

 交渉の中では「原監督から伝言として『優勝するために力を貸してほしい』と熱い気持ちを伝えてもらった。原監督からそう言っていただけることは非常にうれしい。これからじっくり考えて自分の中でいい答えを出せたらいい」とも語った。

 さらに炭谷は「これから野上にも連絡をするつもり。西武から片岡さん(ファーム内野守備走塁コーチ)も脇谷さんも行っていますし、いろんな人から話を聞こうかと思います」と前向きな思いを語った。

 また今後、巨人以外の球団からの接触の可能性もにおわせながら西武残留も含めた決断の決め手を「何が決め手になるか正直分かりませんけど、いろんな面でじっくり考えたい」と慎重に言葉を選んだ。続けて「(競争は)行使した時点でどこに行こうが、プロ野球選手として、勝負の世界に生きている人間としては当たり前。心の中で『やったるぞ』という気持ちは変わらない。ましてや巨人はリーグも違いますし、全てにおいて大変だと思う。西武に残留してもそれは変わらないです」と正捕手奪取への覚悟も口にした。

 一方の大塚副代表は「好印象。自分では手応えがあったんじゃないかなと思っている。小林もいるが刺激を与えるという意味では最適かなと。以前、V9時代の森監督ともお話しさせていただいたんですけど、毎年どんどんキャッチャーを補強してすごく競争が芽生えたと言っていました。その意味で炭谷選手の補強は最適かなと思う」と交渉の手応えを語っていた。