日米野球の最終第6戦(ナゴヤドーム)が15日に行われ、侍ジャパンは4―1でMLB選抜に快勝し、通算5勝1敗で終えた。侍史上最年少となる4番で先発出場した巨人・岡本和真内野手(22)は4打数1安打と存在感を発揮。侍の内野守備走塁コーチを務め、今季まで巨人の同職だった井端弘和氏(43)に「愛弟子・岡本」の急成長ぶりを聞いた。

 ――今年、岡本がここまで大ブレークできた要因は

 井端:それは本人に聞かないと分からないけど、打撃よりも早く守備に自信を持てたことが少なからずあるのでは。開幕前の3月の時点で「守備はもう大丈夫だから、打つことに集中した方がいいよ」とは伝えていた。

 ――岡本の優れたところ

 井端:やること。とにかく言われたことをやり続けること。体が硬かったので「(3年前のオフに春季キャンプまでに)股割りができるようになっておけ」と言ったら、できるようになっていた。他の選手が続かないようなことも、ずっとやっているし、何も言わなくてもやり通す強い意志がある。

 ――逆に直した方がいい弱点は

 井端:これは本人にも言ったけど、審判とケンカしても勝てないぞ、と。打席で自分がボールと思った球をストライク判定されると、後ろを振り返って審判をにらんだりとか、「エーッ」と表情に出したりする。そんなことをしても審判が「じゃあボールだね」と言ってくれるわけじゃない。審判が一度コールしたことに対して文句言ってもしょうがないんだから、ケンカして審判に悪い印象を与えるぐらいなら「ああ、これもストライクですね」って余裕の表情ができるようになってほしいね。つまり勝てるケンカはしてもいいけど、勝てないケンカはするなってこと。

 ――今季の成績がフロックで、来季は苦しむような可能性もあるのか

 井端:それは心配ないよ。アイツは肝に銘じている。オフはやせてきているから体重に関しても不安ない。夏場にかけて8キロぐらい太った男だから、今それを落としているみたい。また来年はちゃんとやせてから開幕を迎えて、また夏場へ向けて体重をベストの状態に持っていこうとしている。オフも太ったままで開幕を迎えたら夏場が大変なことになるから、そのへんもちゃんと自覚を持って考えてやっている。

 ――将来はどんな選手に

 井端:22歳でこの成績を出したんだから、正直、想像はかなり膨らむでしょ(笑い)。シーズンで50発、120、130打点ぐらい挙げる選手になってくれるはず。

 ――巨人でシーズン50本塁打を放ったのは王貞治(1964年=55本、73年=51本)と松井秀喜(2002年=50本)の2人しかいない

 井端:来年からも巨人の4番をずっと張り続けてほしいし、センターバックスクリーン中心にどこでも芯食ったら入るというふうになってきているから、とにかく近いうちに50発は達成してもらいたいね。