春、夏の甲子園大会を7度制するなど高校野球界をリードし、現在は休部しているPL学園野球部OB会の会長に、巨人で活躍した桑田真澄氏(50)が就任することになった。来年1月の野球部OB会総会で正式に発表される。

 桑田氏は「大先輩もたくさんおられる中で、ベストを尽くしてやっていきたい。野球部の復活があるかどうかは分かりませんが、先輩方や後輩たちとみんなで協力しながら高めていきたい」とコメントしたが、この人選にOBたちは沸き立っている。

 PL学園OBで本紙評論家の得津高宏氏は「桑田がOB会の会長になったことはとても喜ばしいこと。これで野球部復活の可能性が出てきたと思います。野球部休部の背景には野球部が起こした暴力事件などのトラブルを嫌った教祖夫人の意向も大きかったのですが、その方が唯一、信頼して認めていたのが桑田だったのです」と証言する。

 これまで教祖夫人には、PL学園時代の同級生の元プロ野球選手が唯一、話をできる存在だったが、休部問題ではまったく話を聞いてもらえなかったそうだ。しかしその一方で夫人は、旧態依然の上下関係などに反発し、理論派で物静かな桑田氏を高く評価。その人間性を信頼していたという。

「本来なら桑田に監督をやってもらうのが一番いいのですが…。そんなに給料を出せるわけでもないですし、桑田にやってくれというのは難しい。それなら桑田が教祖夫人との間に入って、人間性のしっかりした人を監督に据えればいい。夫人も桑田が保証する人物なら、話を聞いてくれるかもしれません」(得津氏)

 伝統のPL学園野球部復活へ――。桑田氏はOBたちの大きな期待を一身に受けている。