巨人の宮崎秋季キャンプで1日に行われた初の紅白戦(6イニング制)で、原辰徳監督(60)の選手起用を巡って思わぬ波紋が広がった。

 この日は選手の自主性を重んじる指揮官の発案で、首脳陣はメンバーの振り分けと守備位置を決めるだけの異例の形式。試合では期待の大砲候補・和田が“新生・原巨人1号”となる豪快な本塁打。新任の元木内野守備兼打撃コーチが三塁コーチャーズボックスから「ベンチ、集中しとけ!」とカツを入れるなどにぎやかなものとなった。

 そんな中、チームをザワつかせたのが長打力がウリのルーキー捕手・大城の起用法。「4番・DH」で先発出場すると途中からマスクをかぶり、最終回は一軍未経験の一塁守備に就いたのだ。指揮官は吉川尚が死球でベンチに下がったことを理由に挙げ「彼(大城)は幸い一塁ができると。(自分と同じ出身の)東海大は器用だから」と笑いを誘ったが、周囲ではさまざまな臆測を呼んだ。

 首脳陣からは「大城の打力を生かすなら一塁コンバートも一手でしょう。有事の際に備えておくことも大事」という意見もある。ただ捕手はドラフトで新人を獲得せず、今オフに河野を戦力外としたため総勢わずか5人。そのため「FA権を持つ銀仁朗(炭谷=西武)を獲りに行くための布石ですかね…」(チームスタッフ)との声も。当の大城は一塁について「二軍キャンプで一度やりましたが、チームに何かあったら行きます」と宣言。果たして一過性のもので終わるのか、それとも――。