17年ぶりの最下位に沈んだ阪神が1日、高知・安芸での秋季キャンプをスタートさせた。チーム再建を目指す矢野燿大新監督(49)はこの日早朝6時前に起床。チーム一番乗りで球場入りし、日課のウエートに励むと、グラウンドでは来季が3年目となる右腕・才木ら若手に積極的な指導を展開するなど初日から精力的に動いた。

「皆がいい顔をして練習してくれた。張り切っていて、いいキャンプにしたいという思いを感じた」など手応えを口にした指揮官だったが、実際やるべきことは多い。中でも自信喪失から奮起させようと燃えているのが、金本前監督体制で「鉄人チルドレン」と騒がれながらも結果を残せなかった2016年新人王の高山や江越、大山らの面々だ。

 チーム内外からすっかり評判を落とした3人組に指揮官は「おべんちゃらじゃないけど、二軍でも見てきて皆、成長している。(高山)俊なんて苦しんだけど、すごい可能性を持っている。江越、大山…とそいつらがメチャクチャ、グッといった時、ホンマにすごいことになると思う」とウルトラ級の“ホメ殺し”まで用意して盛り上げようとしている。
 確かに前体制では怒られてばかりの毎日で自分の力が発揮できなかった側面もある。そういった有形無形のストレスをいかに解消させて前向きにさせるかが、大事な仕事と踏んでいるのだ。

「皆、自分の可能性にフタをしてた部分もある。こういうことすればこうなるだろ、とかやっていけばすごいことになる」とも伝えたという矢野新監督。その手腕に期待したい。