巨人の秋季キャンプが31日、宮崎でスタートした。晴天に恵まれたこの日、メイン球場のサンマリンスタジアムで野手が2組に分かれて2時間ずつ、全体練習だけでも計4時間の厳しい打ち込みを敢行。その中で原監督は正二塁手候補の吉川尚に「練習のための練習ではなく、試合のための練習をやっていこう」と助言。吉川尚は「手を離すクセがあったので、しっかりバットを握るようにとアドバイスをいただきました」と指揮官の指摘に納得顔だった。

 7時間近くに及ぶ全体練習では指揮官の再来とともにお蔵入り状態だった“キャンプ名物”の「原タワー」も完全復活を遂げた。原タワーとはキャンプ中の打撃ケージ裏に設置される高さ約3メートルの“司令塔”のことで、前回指揮を執った2015年まで原監督が腰を下ろして鋭い視線を向けるのが恒例だった。ただ、由伸前監督が在任中の3年間はほとんど使用されず。宮崎入りする以前、原監督は「なかったの? さび付いてるかな…。あれはね、よく見えるんだよ」とちょっぴり不安も口にしていたが、そんな心配は無用だった。

 球団スタッフによれば、タワーの“あるじ”を迎えるにあたり「しっかりと塗装し直して、ほこりがかぶらないようにシートをかぶせて保管してありました」とのこと。打撃練習中には原監督が4年ぶりに定位置に座り、石井球団社長らと談笑するなど、かつての光景がよみがえった。

 初日を終え「今日は野手陣を中心に見させていただきましたが、非常にいい選手が揃っているな」と充実の表情を浮かべた指揮官。キャンプを彩る“名物”とともに原巨人が本格始動した。