秋季練習中の巨人・原辰徳監督(60)がさっそく投手陣の整備に動いた。第1弾はかつて20歳の若さで指揮官自ら開幕投手に指名した宮国だ。将来有望の大器と期待されたが、ここ数年は鳴かず飛ばずの状況が続いている。その姿に指揮官は「生きてるんだか死んでるんだか分からないよ」とため息をついた。

 今季は中継ぎとして防御率1・97と数字こそ良かったが、出場はわずかに29試合と一軍に定着できず。そんな宮国に指揮官は「やっぱり挑戦させないと。どちらかというとのんびり屋さん。自分の持っているものの大きさを忘れるケースがある。潜在能力起きろという感じで叩いてあげないといけない」と初日(27日)のブルペンでいきなりフォームの改造を提案。真上から投げ下ろすフォームを矯正して、少し腕を下げるように指示したのだ。

 この日、ブルペンで40球を投じた宮国を見守ると「少し(腕が)下がってたでしょ、スリークオーター気味に。やってみようじゃないかと。自然体で良かった。昨日帰って学習してた」と新フォームに満足げな様子だった。

 宮国は「原監督からは(秋季練習の)初日にいろいろ言っていただいた。今日はまだしっくりきていないですけど、いい感覚があった。キャンプ中にはいい感じにしたい」と手応えをつかんだ様子。コーチ陣一新にも「自分にとってはアピールのチャンス」と前向きに捉えていた。

 一方この日、制球に悩む澤村にマンツーマンで指導した水野投手コーチは「僕と宮本コーチはどちらも新しく来た。そのおかげで投手を先発、中継ぎなどポジションの先入観なくフラットに見られる」と横一線の勝負を強調。宮国再生は投手陣整備の第1弾にすぎない。3年ぶりに現場に復帰した若大将が巨人に新たな風を吹かせている。