巨人は22日、来季のコーチ陣容を発表。それに先駆け、都内のホテルで由伸政権を支えてきた一軍首脳陣を中心に“一斉面談”を行った。高橋由伸監督から原辰徳氏への政権交代を目前に控え、球団幹部がヒアリングと、今後の処遇を通告した模様。多くのコーチが退団、または配置転換となるだけにしんみりムードが漂った。

 ホテルから出てきたコーチの多くが「球団から発表があるから」と口を閉ざし、帰宅の途に就いた。そんななか「勝負の世界なのでね」と静かに口を開いたのは、由伸監督とともに自ら身を引くことを決めた井端内野守備走塁コーチだった。「“おまけ”のようなAクラスじゃ、負けと一緒だから。上が責任を取るということは、下も責任を取らないといけない」。吉川尚や田中俊ら若手内野手への思いについては「発展途上なので、もう少し見ておきたかったですけど…」と本音をのぞかせた。

 村田ヘッド兼バッテリーコーチは「『(球団には)申し訳なかった、すみません』と伝えた。(球団からは)『ご苦労さん』と…。いい思いもたくさんさせてもらった。唯一、悔しかったのは由伸を男にできひんかったこと。悔しくてしょうがない。由伸が辞めるときは(自身も)辞めると決めていた。一心同体のつもりでやってきた」と語り、車に乗り込んだ。

 23日に由伸監督と原氏は同席で“政権交代会見”に臨む。トップのバトン交代劇の陰で、首脳陣が静かに解散した。