元同僚のスペンサーが予言していた「矢野は将来阪神の監督になる」

2018年10月19日 16時30分

就任会見でポーズをとる矢野監督

【取材のウラ側 現場ノート】チーム強化への熱き思いと、コミュニケーション能力の高さ。これらは現役時代からの特徴であり、矢野監督の武器となることは間違いない。

 現役晩年、同じ捕手だった狩野恵輔(現野球評論家)から、指導を求む声を伝え聞くと快諾。「自分の技術を教えたからってまだまだ負けると思ってないし、聞いてきてくれたら何でも教えるよ。狩野がうまくなってくれたらチームが強くなるんやから」と早速“矢野塾”を開いた。現在も負けず嫌いで後輩思いの部分は変わっておらず、チームの長としての適性としては申し分ない。

 また、現役時代から矢野監督と趣味をともにしていた釣り仲間も、こんな証言を残している。当時、同僚だった福原(現二軍コーチ)、関本(現野球評論家)らと休日に興じていたバス釣りに、シェーン・スペンサー(05、06年阪神在籍で現韓国・ネクセン二軍監督)が同行するようになった。スペンサーは当時から、矢野監督の指導者としての将来性をこう予言していた。

「矢野は将来、タイガースの監督になるだろうな。投手、野手、年齢の区別なく選手とコミュニケーションを積極的に取る姿勢をリスペクトできる。僕のような外国人も自然に受け入れてくれている。英語がわからなくても関係ない。気持ちが伝わるからうれしい。でも、釣りは俺の方がうまいけどね」

 外国人助っ人まで取り込んでしまう包容力は、監督として大きな魅力となるだろう。

 コーチ就任1年目を終えた16年オフには、一軍作戦兼バッテリーコーチという大役に戸惑いも隠さなかった。

「外から客観的に野球を見ていると気づくことでも、リアルタイムでベンチにいると見えなくなることもあった」

 しかし、時は経た。今季は二軍監督も経験しファーム日本一も達成。不意に虎の将となってしまったことは事実としても、矢野監督はこの機をチャンスと捉えているはずだ。 (楊枝秀基)