阪神・矢野燿大新監督(49)が17日、来る23日からの秋季練習でナイン全員を緊急招集すると明かした。

 前日16日は国内FA権取得見込みの上本と電光石火の残留要請を行うなど素早い対応を見せている新指揮官だが、今度は「ほんとに時間ないから。休み明けには(選手全員に)集まってもらう予定になっている。そうお願いした。先の予定が(ドラフト会議など)バタバタで明日どうすんねんという状態だから」とキッパリ。秋季練習には不参加の福留、糸井、鳥谷らベテラン組にも声を掛けて全員と面談するという。

 監督に就任した経緯を含め、ナインに話すことは山ほどある。現場は金本知憲前監督(50)に事実上の「解任」を突きつけた電鉄本社の介入姿勢に今でも「あのやり方だけは許されない」と怒りの声が噴出。それを危惧し、自分の口からメッセージを送ることが最下位から再起を目指すチームには何より必要と踏んだからだ。

 また、25日に迫るドラフト会議での戦略について「全然時間がないからな。任せる部分は任せていくし、自分の思うことは言っていく。(考えが球団と自分で)大きくズレてるということはないと思う。特に今年はもう時間もないし、言えへんやろ。くじ? いけといわれたらいく」とコメントした。

 球団では坂井前オーナーの指示も含めて現状では根尾、藤原(ともに大阪桐蔭)ら高校生野手を1位候補としているが、矢野監督はあえて欲しい選手は言わず、球団に任せる方針。そして自ら指名が競合になった場合のくじ引き役まで引き受けるという。あるフロント幹部はこうした新監督の前向きな姿勢に「頭が下がる思い。本当に迷惑を掛けている」と感謝感激…。引き受けた以上、やるしかないか。