西武・菊池雄星投手(27)が17日、パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦(メットライフ)に先発し、5回9安打6失点でKO。9月28日に“19度目の正直”で初勝利を挙げたものの、対ホークス戦の通算成績、1勝13敗、防御率5・16が示す苦手意識が再び顔をもたげ、大事な初戦でエースの働きをすることはできなかった。

 最速155キロのストレートにスライダーのキレも悪くない。前日(16日)には「やることは全てやってきた。それをマウンドの上で出せれば、結果は出ると思う。短期決戦でゲームを決めるのは長打。そこは注意していきたい。無駄な四死球が得点に絡むのは野球の鉄則ですし、ビッグイニングをつくってしまうと苦しい」と語っていた。しかし、結果は気をつけていたはずの悪い部分が全て出てのKO降板だった。

 3回に源田、浅村の連続適時打で逆転をしてもらった直後の4回、ダメな雄星が顔を出した。西田の安打に甲斐への四球が絡み二死満塁のピンチ。ここで2ボールとカウントを悪くし、川島に甘く入ったスライダーを左前に運ばれて2点を失い逆転を許す。さらに続く上林にもスライダーを中越えの三塁打となれるなどこの回、5安打5失点。エースにあるまじき投球で、試合の主導権を完全に手放してしまった。

 菊池は「逆転してもらった後、抑えなくてはいけないのに点を取られてしまい申し訳ないです」と言葉少な。辻監督が「彼が投手としてもう一段上に上がるためのマウンド」と期待した、プロ9年目で初めてのCSファイナルステージは苦いものとなった。