何をやってもうまくいかない。既に最下位が確定している阪神が9日の巨人戦に4―9で敗れ、本拠地・甲子園球場での球団ワースト記録を更新するシーズン39敗目を喫した。相手の4番・岡本に2本塁打を献上するなど宿敵のクライマックスシリーズ進出をアシストする惨敗劇に、金本知憲監督(50)は「打力は差がはっきりとある。長打力が課題ですね…。明日は何としても勝ちたい。選手もファンの前でいい試合してほしい」と苦悶の表情を浮かべた。

 ふがいない戦いぶりには虎党の怒りも最高潮に達した。坂井信也オーナー(70)が球場から帰る際には「いつオーナーを辞めるんですか!?」と怒声が飛び、外野席では乱闘騒ぎまで勃発。酔った男性ファンが別グループの女性ファンの首をつかんだことからイザコザになり、それを巨人ファンの男性があおったことで、虎党VSG党にまで発展した。結局、警官約20人が出動して収束したが、周囲は物々しい空気に包まれた。

 一方でチーム内からは“切り替え”を望む声が噴出した。最下位が決まったにもかかわらず、この日はベテラン・福留孝介外野手(41)や来季残留が不透明な助っ人のナバーロがスタメン出場。さらに10日のDeNA戦の先発はベテラン左腕・岩田稔(34)とあって「一つでも多く勝つというのは分かるけど、福留の場合はケガを抱えているので無理をして来季に響くのが心配だ。ナバーロも来季の去就は微妙なのに…。それならば今後に向けて思い切って二軍にいる若手を宮崎から呼んででも使うべき」と訴えるチーム関係者もいた。

 前回最下位の2001年以来となる17年ぶりのシーズン80敗にも王手となった。残り2試合で来季の巻き返しへの兆しは見せられるか。