巨人の監督人事は今ドラフトの目玉にとっても人ごとではないかもしれない。今夏の甲子園を沸かせ、G党であることを公言している金足農・吉田輝星投手(3年)の周辺で“プロに行くなら、ぜひ巨人へ”との声が上がっている。

 当初、吉田は八戸学院大への進学が既定路線だったが、今月11日が期限のプロ志望届を提出する見通しであることは本紙既報通り。ドラフトでは複数球団が1位指名する可能性が高く、どの球団が交渉権を獲得するかは神のみぞ知るところ。憧れのチームに入団できるとは限らない。

 金足農関係者は「うちは専門学校などを含めても、進学組は3割程度。約7割の生徒は卒業と同時に県内の企業や役所に勤めるか、家の農業を継ぐというケースがほとんどですが、最近はその傾向も変わってきている。今の時代、大卒と高卒では生涯賃金に大きな差があるので、親御さんも、なるべく大学に行かせたいというのが本音。国公立大や有名私学とはいかないまでも、東北の私学には行かせてやりたいというのが親心です」と学校の事情を説明した上で、吉田がプロ入りか進学かで悩んだのは「八戸学院大とのパイプが途切れると、他の生徒や後輩にも迷惑がかかる。それを危惧しているんです」と明かす。

 そんな問題も進路が“原巨人”になれば解消可能だという。前出の関係者が続ける。「八戸学院大の正村監督は東海大で原さんの5年後輩に当たりますから、話をつけるのは容易。たとえ吉田がプロ入りとなっても(行き先が巨人なら)原さんの一声で丸く収まるというわけです」

 巨人は3日に高橋由伸監督(43)の今季限りでの辞任を発表し、後任には前監督の原辰徳氏(60)が就任する見込み。吉田に近い関係者も興味深いことを言う。

「吉田君が巨人ファンになったのは中学校入学以前だと聞きます。当時は2回目の原政権で、吉田君にとっても原監督は強い巨人の象徴だったはず。原監督の下で野球をやりたいという気持ちは強いでしょう」

 すべて思惑通りに事が運ぶか…。