西武・榎田大樹投手(32)が2日の日本ハム戦(札幌ドーム)に先発し、7回8安打1失点で11勝(4敗)目を挙げた。
 チームでは最多勝を確実にしている多和田(16勝)、菊池(14勝)に続く勝利数で優勝に貢献した左腕は「ピンチが多くて最後はいっぱいいっぱいだった。(先頭打者本塁打で)簡単に1点を与えてしまったので粘り強く投げようと思った」。阪神からのトレード移籍で激変したこの1年を「去年の今ごろは、来年プロ野球選手でいられるのかと思っていた。こうやってライオンズで優勝できてうれしい。CS、日本一に向けて戦っていきたい」と、西武に感謝しCS以降の活躍を誓った。

 その救世主・榎田には辻監督も最大級の賛辞。120球を超える球数に「球自体が強いし、別に大丈夫だと思う」と信頼を口にしながら、併殺を完成させた7回の守備を絶賛した。
「(守備は)本当にうまいよ。(ゴロを)捕ってから本当は強い球を投げたいところなんだけど、源田の(二塁ベースへの)入り方を見てソフトに投げた。そのセンスが素晴らしい。ゴールデン・グラブ(賞)のチャンスあるよ。(投票)よろしくね!」

 現役時代8度の同賞受賞を誇る守備の名手からの大賛辞。阪神でくすぶっていた1年前には想像すらできなかった野球人生の急展開だろう。