ダイヤモンドバックス平野の活躍で日本人中継ぎ投手のメジャー移籍に追い風?

2018年09月25日 16時30分

ダイヤモンドバックスで躍進する平野(ロイター=USA TODAY Sports)

【広瀬真徳 球界こぼれ話】今シーズンのメジャーといえばエンゼルスの大谷翔平(24)ばかりが注目を集めたが日本人選手の評価を上げた選手は他にもいる。ダイヤモンドバックスの平野佳寿(34)だ。

 シーズン開幕からチーム救援陣の一人として日本人投手シーズン最多となる74試合に登板(現地時間24日現在)。大きな故障もなく黙々と投げ続け、シーズン中盤の5月6日から7月3日(現地時間)には26試合連続無失点も記録した。この数字は上原浩治(現巨人)が保持する日本人最長記録(27試合)にこそ及ばなかったものの、球団記録を更新。現在もナ・リーグのシ烈なホールド王争いを同僚A・ブラッドリーと競い合っている。この活躍により、米メジャー関係者の間で改めて日本人中継ぎ投手への評価が高まっているというのである。

 先日、ナ・リーグの球団関係者が現在の米スカウトの動きを話してくれた。

「平野の持ち球は落差のあるスプリットと直球ですが、この2球種だけではメジャーでは通用しないと思われていた。ところが、予想に反して大活躍を見せたことで球団幹部らが日本人投手を再評価。シーズン中盤から駐日スカウトに対し、中継ぎ投手を中心とした獲得調査を指示しています。すでに複数球団が水面下で数名をリストアップし、最終調整を行っている。もちろん、本人の意思やポスティングなどを含めた移籍交渉などを考えると移籍は簡単ではない。ただ、今オフはメジャー球団も比較的安価で獲得できる日本人投手に興味を示している。平野のおかげで海外移籍が噂される有望先発投手に交じって、何人かの日本人救援投手が海を渡る可能性があります」

 昨オフのメジャーはFA市場が低迷。ダルビッシュ(現カブス)をはじめ多くの有望選手が春季キャンプ直前まで去就が決まらない異常事態が続いた。この反動もあり、今オフはスカウト陣の獲得調査の動きが例年以上に早いようで「この流れも日本人投手の移籍に追い風」(前出関係者)という。

 日本人中継ぎ投手の大量移籍といえば、2008年に小林雅英(ロッテ→インディアンス)、福盛和男(楽天→レンジャーズ)、薮田安彦(ロッテ→ロイヤルズ)の3人が同時にメジャー移籍した例がある。この時は前年の07年に岡島秀樹がレッドソックスで66試合に登板。3勝2敗5セーブ、27ホールドの活躍でチーム世界一に貢献したことが呼び水になった。今季の平野は当時の岡島の躍進に匹敵する。来季、米移籍を狙う日本人投手にとっては朗報か。

 ☆ひろせ・まさのり 1973年愛知県名古屋市生まれ。大学在学中からスポーツ紙通信員として英国でサッカー・プレミアリーグ、格闘技を取材。卒業後、夕刊紙、一般紙記者として2001年から07年まで米国に在住。メジャーリーグを中心に、ゴルフ、格闘技、オリンピックを取材。08年に帰国後は主にプロ野球取材に従事。17年からフリーライターとして活動。