シーズン終盤の投手不振の原因は「蓄積疲労」だけじゃなかった!!

2018年08月29日 11時00分

球界こぼれ話 広瀬真徳】高校野球も盛況に終わり間もなく9月を迎える。プロ野球は各チーム残り30試合前後となり、ペナントレースはいよいよ佳境に入る。この時期になると、上位チームは戦力を総動員。リーグ優勝やCS(クライマックスシリーズ)進出に向け、これまで以上にシ烈な戦いが繰り広げられる。

 当然、選手はシーズン中盤までとは異なり無理を強いられることもある。とりわけ投手陣は登板間隔が短くなったり、連投を余儀なくされることもしばしば。こうした酷使により、シーズン前半は快調に好成績を残していた投手が突如調子を落とすことは珍しくない。

 実際、今年も前半戦に白星やセーブ数を量産した複数の好投手が8月以降から精彩を欠いている。新人投手であれば「他球団の研究」も考えられるが、中堅どころの先発投手やベテランが低迷するのだから理由はやはり「蓄積疲労」。私はそう確信していた。
 ところが先日、元プロ野球選手との食事の席でこの話をしたところ、「シーズン終盤の投手の不振は疲労だけが原因じゃないですよ」と指摘されてしまった。

 どういうことか。詳細を聞くと、要因には「投手のクセ」も大きく関与しているのだと言う。「基本的に一軍で活躍している投手でも多かれ少なかれ、投球動作の中にクセはあります。打率3割前後を打つ打者であれば、相手投手のクセで球種が判別できることが多い。シーズン終盤になればチームスコアラーから打者全員にクセが明かされ、攻略指示が徹底されることもある。上位チームはシーズン終盤になると負けられない試合が続くため、8月末から9月ごろになると相手のクセを突く策を多用するんです。結果、シーズン終盤に突然勝てなくなったり調子を落とす投手が出てくるわけです」

 前出の元選手が言う「クセ」とは多岐にわたる。例えば某セ・リーグ投手であれば「表情」によって直球か変化球かが判別できるそうで、別のパ・リーグ投手は変化球を投げる際、無意識に帽子のつばを触ってしまうんだとか。

「仮にシーズン前半戦からクセを見抜いていてもこの時期まで“見て見ぬふり”をする打者もいます。4月、5月ごろから露骨にメッタ打ちすれば相手が気づき、修正する可能性がありますから。やはり勝負時に攻略した方がいいので、この時期まで温存することもあります。こうした戦いが見られるのもぺナントレース終盤ならではの醍醐味です」(元プロ選手)

 一般のファンでも映像を注視すればクセがわかる投手もいるそうなので、気になる選手がいたら一度チェックしてみてはどうか。