【高校野球】大阪桐蔭 史上初2度目の春夏連覇の裏に徹底したデータ分析

2018年08月21日 18時56分

優勝して喜ぶ大阪桐蔭ナイン

 第100回全国高校野球選手権大会最終日(21日、甲子園球場)、決勝で大阪桐蔭(北大阪)が15安打と猛打を爆発させて金足農(秋田)に13―2と圧勝。4年ぶり5度目の優勝を果たし、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。

 これで西谷浩一監督(48)は甲子園春夏通算7度目の優勝を飾り、PL学園の中村順司監督の6度を抜き、単独トップ。プロ注目の金足農のエース・吉田を見事に攻略した大阪桐蔭打線だが、春夏連覇を成し遂げることができた裏には、常識外の徹底したデータ分析で相手チームを“丸裸”にしていた。

 これぞ王者の貫禄だ。大阪桐蔭が立ち上がりから吉田に襲いかかった。二死満塁から暴投で1点を先制すると、石川の適時二塁打で2点を追加。勢いに乗った打線は4回に宮崎が3ランを放つと、5回には根尾が弾丸ライナーでバックスクリーンへ2ランを突き刺すなど、この回に打者一巡の猛攻を見せて一挙6得点。ここまで今大会で全試合に完投、被本塁打なしの吉田に2アーチを浴びせて、ついにマウンドから引きずり下ろした。

 投げてはエース右腕・柿木が大量援護に守れられて5安打2失点で完投。背番号1のプライドを見せて胴上げ投手となった。西谷監督は「全員の思いがこもった優勝だったので、本当にうれしく思う。昨夏に悔しい負け方をして、必ず春夏連覇を達成すると毎日毎日言い続けてきた。それが達成できてうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。

 史上初の2度目の春夏連覇達成の裏には、徹底したデータ分析があった。記録員の小谷(3年)や石田コーチが中心となって相手チームのあらゆる“ネタ”を収集。これまでの試合のビデオから、相手の癖や配球を研究するのはもちろん、試合前のノックで声が出ているのか、ベンチの盛り上がり方に勢いがあるのか、冷静なのか、全力疾走をしているのかなど、チームの雰囲気まで見極める。

 さらに各自で相手のインタビュー映像までチェックし、監督や先発投手らが大阪桐蔭戦に向けてどういう心構えでいるかを知ることを重要視してきた。新チームのテーマは「相手を上回るモチベーション」で、ある選手は「インタビュー映像を見ることで、相手の心理まで分析して、さらに相手の上にいくようにしてきた。例えば、相手投手が『インコースを攻めたい』と言っていたら、あえてそのインコースを狙って打ち崩して、相手のモチベーションを超えるようにしてきた」と言い切った。

 西谷監督もインタビューを見て、自分が感じたことを選手に伝えるなど情報を共有してきたが「今大会ではデータ班がいいデータを取ってくれていたので、それがなければ勝てなかった。今日の(吉田の)データも、その通りだった」と最敬礼する。

 来年の目標はもちろん、前人未到の3度目の春夏連覇だが、指揮官は「まずは大阪大会、近畿大会に勝ってから。大きな旗が2つあるので自分たちで返しにきたい。そこから春夏3連覇の話ができるようにしたい」と殊勝に話す。大阪桐蔭最強伝説はどこまで続くか。