第100回全国高校野球選手権大会で17日、元近鉄で報徳学園OBの金村義明氏(54)が近江(滋賀)―常葉大菊川(静岡)戦前にレジェンド始球式を行ったが、投げたボールは外角に外れた上にワンバウンドしてしまった。

 金村氏は報徳学園(東兵庫)のエースとして1981年の第63回大会に出場。全6試合で完投し、チームを優勝に導いただけに「お恥ずかしい。ど真ん中に120キロくらいのストレートを投げる気持ちはあったのですが、体が言うことを聞きませんでした。近江のキャッチャーはナイスキャッチングでした。後ろにそらしていたら僕が取りに行かないと」と苦笑い。

 母校はベスト8進出を決めている。「昨日の試合は姿勢を正して名古屋のホテルで見てました。報徳学園のときに始球式したかったけど、8年前に出場したときはアルプスに行って負けてしまった。会わない方がいいかなという思いもある。優勝してほしいですね」

 甲子園を聖地と語る金村氏は“魔物”との付き合い方をアドバイスする。「魔物を敵にせず味方にしたら母校も優勝がある。ここから15分のグラウンドでやってきた練習を思い出せば大丈夫」。報徳学園は18日に済美(愛媛)と対戦する。