第100回全国高校野球選手権大会の第11日は15日、2回戦4試合が行われ、第1試合では下関国際(山口)が創志学園(岡山)に5―4で劇的な逆転勝ち。ド派手なガッツポーズと気迫あふれる投球で注目を集めた創志学園・西純矢(2年)が甲子園を去った。

 創志学園は9回まで4―2とリードを守り、西も8回までわずか2安打と寄せつけなかったが、最終回に制球が乱れ、3失点。試合後に号泣した西は「来年に戻ってきて借りを返したい。自分の投球ができなかったが、この経験を生かしたい」と前を向いた。

 16奪三振で4安打完封した創成館(長崎)との初戦に続き、この日もガッツポーズと雄たけびを上げながら力投を見せた西だが、初回に球審から「必要以上にガッツポーズをしないように」と注意を受けた。8回にも注意されたそうで、西は「強い口調で言われた。自然と出たんですけど…」と戸惑っていた。日本高野連では教育の一環との考えから、球児に対してガッツポーズを慎むように指導しているが、明確に規定できないため審判に判断が委ねられている。

 竹中事務局長は「相手へのリスペクトが大事。ガッツポーズをやってはいけないということではないが、小さくやるとかね。過度なものは気をつけないといけないということ。これは規定で明記されているものではないので審判の判断になる。今日は審判がそこを感じたんでしょう」とした。

 しかし、そんな西と対戦した下関国際のナインは敵ながらあっぱれ。「闘志むき出しにして気迫で投げていた。それを見て僕らも気迫を前面に出さないといけないと思った。気迫で上回らないといけないと闘志に火をつけられました。大げさに見えるかもしれないけど、悪い気はしないですよ。どこか志のようなものを感じました」とガッツポーズ“上等”とばかりに奮起し、9回の逆転劇につなげた。

 選手の素直な感情表現も高校野球の魅力だが、ポーズの大小や相手の受け止め方も含め、判断が難しいところだ。