西武が7日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に6―0と快勝。貯金を今季最多の20とした。

 12勝目を挙げた多和田の負傷降板はあったものの、この日も自慢の強力打線は通常営業だった。まずは2回、7番に座った中村剛也内野手(34)が相手先発・アルバースから15号2ランで先制。これで史上45人目となる通算1000打点に到達した。

 中村は「本塁打で1000打点にいけたのでよかった。(前半戦)ゲームに出続けていればもっと早く達成できる数字でもあるんで、ちょっと遅すぎましたね」とコメント。これが号砲となり3回に3番・浅村、6回に6番・外崎の適時打、7回にも5番・森の12号2ランで効果的に6点をもぎ取り先発・多和田を強力援護した。

 12球団屈指のダブルクリーンアップを備えた西武打線はこれでチーム打率2割7分5厘、535得点、128本塁打、97盗塁の圧倒的攻撃力でがっちり首位固め。10年ぶりVへ逃げ切り態勢に入った。

 思えば、17年前の2001年に当地・京セラドーム(当時大阪ドーム)を本拠地としていた近鉄「いてまえ打線」はチーム打率2割8分、211本塁打、770得点という脅威の攻撃力でシーズンを制した。その迫力を肌で知る唯一のライオンズ戦士、松井稼頭央外野手(42)はいう。

「あのころの近鉄打線はすごかった。ノリさん、タフィー(ローズ)がいて磯部さん、大村さん…とバランスがよかった。守っている時間がとにかく長くて西口さん、(松坂)大輔、(石井)貴さんクラスの投手でないと抑え切れなかった。それとは構成が違いますけど下位打線に一発のあるサンペイ(中村)、メヒアがいるウチの打線も相手ピッチャーは相当嫌でしょう。(気を)抜くところがない」。

 今はなき、いてまえ打線の聖地で“平成最後のいてまえ野球”を展開する西武が、この日も投打をガッチリかみ合せて貯金を20に積み上げた。