日本ハムが1日のロッテ戦(帯広)に8―7でサヨナラ勝ち。6点差を終盤8、9回でひっくり返すという大逆転劇で貯金を13とした。

 6点ビハインドで迎えた8回、レアードの3ラン本塁打などで5点を挙げて1点差で最終回へと突入すると、勢いそのままに、一死一塁から近藤が右翼線適時三塁打を放って同点。続く一死三塁の場面で主砲・中田翔内野手(29)が三塁線を破るサヨナラ安打を放ち、劇的勝利を呼び込んだ。

 試合後の中田は「本当に無我夢中で、打った瞬間は『抜けてくれ!』と思いました」。そんな頼れる主将が常に最高のコンディションで試合に臨めるよう、本拠地・札幌では万全な「バックアップ態勢」が敷かれているという。

「中田選手は後輩選手を連れて繁華街で飲んだ後、タクシーを使って自宅まで帰られることが多いんです」と話すのは、札幌市内のタクシードライバーの男性。「乗車後はそのまま眠られたりするので、途中で起こすことがないよう、ドライバー仲間で中田選手のご自宅の情報を共有しているんです。そうすれば、ストレスなくご自宅までお届けできますからね」と、札幌タクシー業界では「車中で寝ている中田に声をかけてはならない」という“中田ルール”があるそうだ。

 中田も、初めて乗ったタクシーが爆睡している間に自宅に到着していることに、最初は「何でオレの自宅を知っとるんや!」と驚いたそうだが、地元ファンたちの心遣いには大いに感謝。前日見せた4打数3安打5打点の活躍に続き、この日の5打数3安打3打点の大暴れの裏には、そんな地元ファンたちの支えがある。