【高校野球・西東京大会決勝】日大決戦の舞台ウラ 小学時代バッテリー組んだ親友2人が対決

2018年07月31日 18時00分

準優勝杯を持つ斎藤(左から2人目)と、優勝盾を持つ中村(右から2人目)

 第100回全国高校野球選手権大会は7月30日、西東京、北神奈川、北大阪、岡山で各地区の決勝戦が行われ、今夏の甲子園に出場する56代表校がすべて出揃った。56校の参加は史上最多。この日の決勝4試合の中でも注目は、日大三が5年ぶり17回目の出場を決めた西東京大会。劇的なサヨナラ本塁打の末、5―3で決着した日大鶴ケ丘との“日大決戦”の舞台裏では、小学校時代にバッテリーを組んだ親友同士による、聖地をかけたドラマがあった。

 日大三は初回、3番・日置が2ランを放ち、日大鶴ケ丘のプロ注目右腕・勝又を相手に貴重な先取点を奪う。2回に同点とされ、その後は一進一退の攻防が続いたが、3―3で迎えた9回に4番・大塚が左翼席にサヨナラ2ランを運び、劇的な幕切れで接戦を制した。

 日大三の小倉監督は「この年になって、本当にウルウルしてしまって…」と男泣き。「100回大会と言わず、まず(甲子園に)出られることがうれしい。選手たちには思い切ってプレーさせたいと思います」と聖地での活躍を誓った。そんな激闘の裏には、幼なじみ2人による人知れぬドラマもあった。

 日大三のエース・中村奎太投手(3年)と日大鶴ケ丘の主将・斎藤北斗捕手(3年)は、小学生時代、千葉県の少年軟式野球チーム・西船ウイングスでバッテリーを組んだ親友同士。

「中村は途中からうちのチームに入ってきたんですが、その時点でずばぬけていた。(球を)受けていて『こんな球を投げる小学生がいるのか』と。小学校最後の大会はアイツが好投してたのに、自分たちのエラーで負けてしまって。それが一番の思い出です」(斎藤)

「バッテリーだったのでいつも一緒で、このバッターはどうやって抑えるかとか、そんなことをずっと話していた。斎藤は肩が誰よりも強くて、自分にないものを持ってるやつだなって」(中村)

 中学では斎藤は公立の葛飾中、中村は私立の八千代松蔭中へと進み、それぞれ違うボーイズリーグへ。進学先は違えど、互いを認め合う2人は切磋琢磨し、高校最後の夏に甲子園をかけた決勝という大舞台で再会を果たし、雌雄を決することになった。

 チームとしては敗れたものの、直接対決では斎藤が意地を見せた。この日、3番打者として4打数2安打1打点。2本のヒットはいずれも“盟友”中村から放った。

「小学校のときは、すべてにおいて中村にはかなわなかった。6年という時間がたって、中村も、もちろん自分も努力してきた。少しは差は埋まったのかな」(斎藤)

「あのころよりずっと成長してる。斎藤には2本打たれて(自分が)打つほうでも何もできなかった。個人的には完敗です」(中村)

 試合後は互いに「ありがとう」「頑張ってくれ」と言葉を交わし、中村は斎藤からの「名門校の日大三でエースナンバーを背負って、自分たちの地元から生まれたスターの一人。甲子園でも頑張ってほしい」とのエールを受け取った。

 数奇な運命の巡り合わせ…といっても、決勝での“幼なじみ対決”は、偶然だけで実現できるものではない。2人の努力と実力が伴わなければ、決してかなうはずもない奇跡だった。