<阪神8-6DeNA(27日)>復活を期す阪神・藤浪晋太郎投手(24)が27日のDeNA戦(横浜)に先発し、5回8安打5失点ながらも打線の援護に恵まれ2勝目を挙げた。課題としてきた制球の安定感は改善傾向だが、さらなるレベルアップに向けてチーム内からは“内角攻め解禁”を求める声が上がっている。

 まさかの連打を食らったのは3点のリードをもらい迎えた3回だ。一死から神里に直球を右前打されるとそこから柴田、ソト、筒香といずれも150キロ超の直球を狙われ、4連打を食らい2失点。さらに5番・宮崎にはカットボールを右翼席へ逆転3ランを浴びた。

 5回に迎えた無死満塁の場面を何とか無失点で切り抜け、前回登板の15日楽天戦(楽天生命パーク)に続く2勝目。それでも試合後は「勝ちをつけてもらったのは本当にラッキー。ゲームをつくれないなかで打線に勝たせてもらった。何が悪いというのではなく、もう少し高さを意識することが必要だった。あの1イニングだけだったのでもったいない」と反省の弁に終始した。

 金本知憲監督(50)は「立て直したし、制球で苦しむこともなかった。そこは大きな安心材料」と及第点を与えたが、そんな藤浪に求められているのが「右打者への内角攻め」だ。3回の連打の場面は左打者には内角、右打者には外角を狙い打たれてのもの。金村投手コーチは「150キロを超えるボールでもコースが限定されていれば2巡目以降を抑えるのが難しくなる。右打者への内角を攻めることも考える必要がある」と指摘する。

 これまでの藤浪といえば制球不能で、体付近に球が来る怖さが“武器”でもあった。しかし、制球が改善された分「ぶつけられる心配がないなら、右打者も思い切って踏み込んでいくことができる」(他球団スコアラー)とライバルチームの打者に読まれ始めているのだ。とはいえ、右打者への死球などをきっかけに、せっかく安定してきた制球が再び悪化しないとも限らないだけに…。難しいところだ。