いまだ課題の外野特守行えず…清宮深刻な基礎体力不足

2018年06月05日 16時30分

右肩をアイシングして球場を引き揚げる清宮

 日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(19)が5月28日の二軍降格以降、イースタン6試合で5本塁打と打ちまくっている。すでに二軍では敵なしの“無双状態”とあって、早くも一軍再昇格のムードも高まっているが、その裏では異変も起きている。二軍首脳陣を悩ます、怪物ルーキーの重大な“欠点”とは一体、何なのか…。

 清宮の二軍降格時、コーチ会議で挙がった二軍での課題は「直球への対応」と「左翼守備の突貫工事」だった。課題の一つであるその左翼守備だが、ここまで実戦と試合前に他の野手に交じって行う外野ノックのみで、特守などの居残り練習は一度も行われていない。

 それどころか30日と2日は一塁、3日はDHでの出場。左翼での出場機会すら減ってきており、左翼を守った31日は試合後に右肩をアイシング、1日は試合後トレーナールームにこもるなど、入念に体のケアを行っている。

 特守を行わない理由について、紺田外野守備コーチは「経験が圧倒的に足りてないので、まだ技術的なことを教える段階にも到達してない。やらせたいことは山ほどある」とした上で「そういうもの(特守)も含めて、今はまだ見極めている状態。あれだけ毎日試合に出てたら、そりゃあ疲れるでしょう。こちらがやらせたいからといって、けがをさせたら意味がない。やったらすぐにうまくなるわけでもないし、時間はかかる」とした。つまり、特守などをやらせる体力が今の清宮にはないのだ。

 日本ハムは他球団と比較しても練習時間の短い球団で、全体練習後、各自が課題を持って自主トレを行う。すでに複数回の特守をこなしている高卒同期入団の難波は「高校時代と比べて練習時間が短いので、自分は全然大丈夫。特別体力に自信があるほうじゃないですが、毎日特守でもイケます」という。高卒2年目の今井も「基礎体力は高校で養われていたので、その貯金で今はできています」と、高卒野手でも練習についていける体力を持つ選手もいる。

 だが、清宮の場合は、一軍帯同時も「疲れがあるので」(栗山監督)との理由から、一軍戦に出場しながらの二軍戦出場は見送られた。そうした疲れが今でも抜け切れていないのだろう。実際、練習しながら毎日試合に出場するプロ野球選手としての体力は、高卒選手がブチ当たる最初の大きな壁となるケースも多い。

 早実の先輩でもある荒木二軍監督は「難波や今井は入団したときから体が強かったけど、早実は伝統的に練習時間が短いからね。幸太郎は自分でいろいろと取り組んでいたから、あれでもまだ出られているほう」と、早実ならではの練習量の少なさが疲れの原因ではないかと指摘する。

 一般的な強豪校が平日6時間ほどの練習をこなすのに対し、早実では2時間半程度で、走り込みなどのメニューも多くはない。その差がプロで必要な基礎体力の差に表れているという。

「ウチみたいにある程度チャンスを与えるチームでは、打つとか抑える以上に試合に出続けられることはそれだけで強み。年間を通して試合に出続けられる体力をつけることが今は大事。ファームで1年間過ごしたほうがいいのかもしれない」と荒木監督。

 打棒爆発で早期一軍だと盛り上がる周囲をヨソに、二軍では体力不足を理由に体づくりの必要性が叫ばれているのが現状…。栗山監督の決断はいかに。

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