悪夢の再現は阻止できるか――。巨人は27日、阪神に1―9の大敗を喫し、4年ぶりの甲子園3連敗で借金生活に突入。昨季の13連敗と同様、今季も4連敗で交流戦開幕を迎えることとなった。打線の湿り具合も気になるが、それ以上に問題なのは、この日も5回4失点と崩れた野上を始めとする不安定な先発陣。不動のローテーションにメスは入るのか。

 幕切れの後味の悪さも、そもそもは序盤から劣勢の試合展開が招いたことだ。高卒2年目右腕の才木に対して6回までわずか2安打の打線も困りものだが、またも背信の野上に首脳陣は揃って渋い顔だった。

 FA右腕は2回にリーグワースト11被弾目の2ランを中谷に浴びてあっさり先制を許すと4、5回にも1点ずつ献上し、5回4失点でノックアウト。成績はまだ4勝4敗のタイだが、5回5失点の前回DeNA戦に続く連続KOで防御率は5・07まで悪化した。

「(状態は)良くはなかったですが、そういうなかでもゲームメークしていかないと。全体的にレベルアップしていかないといけない」と反省の弁を口にした野上について、由伸監督は具体的な評価を避けたが、先発陣の“二極化”は悩みの種だ。

 菅野、山口俊が安定して長いイニングを投げている一方、前日5回4失点の田口は9試合2勝3敗で防御率5・06。吉川光も8試合3勝3敗、防御率4・70。指揮官は「(先発投手の結果が)どちらかに出てしまう試合が目立つのでね。そこは少しなんとかしないといけない」と語ると、先発ローテーションの再編について「そこもいろいろと考えます」と検討を始めるとした。

 交流戦が始まる来週以降は3週連続で6連戦。まずは二軍5試合で防御率2・39と好結果を残しているドラ1右腕の鍬原が、29日からの日本ハム戦でローテに加わる見込みとなっている。さらに監督の発言を受けて注目されるのは、開幕から不動の5人の扱いだ。

 投手編成を担う斎藤投手総合コーチはこの日も無言を貫いたが、チーム内からは「結果が出ない投手は一度リフレッシュさせるのも手。二軍には内海がいるし、若い高田あたりを使っても面白いんじゃないか」との声も上がっている。

 村田ヘッド兼バッテリーコーチは個人的に「今のところそれ(入れ替え)は考えていない」とした上で「先発が5回で4点、5点取られたら野球にならん。しっかり投げてもらわないと」と不振の先発陣に奮起を促したが…。打力優位とされるパの打者相手に現状の布陣で対抗するのか、それとも再編に動くのか。ベンチの決断が注目される。