<阪神2-1DeNA(15日)>来日9年目のキャリアはダテじゃない。阪神のランディ・メッセンジャー投手(36)が15日のDeNA戦(甲子園)で9回途中1失点の好投を見せ、リーグ単独トップの6勝目を挙げた。完封を狙った9回に一発を浴びて無念の降板となったが、チームの連敗を4でストップ。勝率5割復帰に貢献したエースは「最終回は点を取られて悔しかったが勝てて良かった。我慢強く投げるのが大事だったが、それができて良かったよ」と胸を張った。

 安定感抜群の投球はモデルチェンジの成果でもある。37歳となる今季は150キロ超えの直球と鋭く落ちるフォークを駆使して三振を量産する従来の投球術を一新。制球重視の打たせて取る“省エネスタイル”で新境地を開拓している。チーム内でも「今までは三振を取ろうとムキになって球数が増えて思ったほどイニング数を投げることができなかった。今年は三振よりも少ない球数で打ち取って長い回数を投げることを意識している。年齢を考えてスタイル変更するあたりは賢いし、何よりチームにとってもありがたい」(チーム関係者)と大好評だ。

 昨季は球界初の“60試合登板クインテット”が誕生するほど中継ぎ陣も盤石だったが、今季はその反動か高橋聡が離脱するなど不安もある。それだけにメッセンジャーの“変身”ぶりはチームにとってもありがたい。4連敗中は渋い表情の続いていた金本監督も「コーナーを突いて低めに集めていた。バッテリーでうまく打ち取っていた」と最敬礼だった。